用語解説
用語の読み
ほけんじょ
用語の意味
保健所法に基づき、都道府県や政令市、東京都の特別区が設置する衛生行政の公的機関です。
人々の病気予防や健康を促進する公衆衛生活動を中心に展開し、平成19年の時点で、全国に518の保健所が設置されています。
保健所には医師や保健師、食品衛生監視員、薬剤師、栄養士など保健分野の専門家たちがそれぞれ置かれ、地域保健法(保健所法を改正したもの)に規定された公衆衛生活動を行っています。
その活動は、主に地域住民に対する「対人保健」と、地域環境に関する「対物保健」に分けられます。
対人保健は一般の保健指導や相談を始めとして、HIV(エイズ)抗体検査や生活習慣病の集団検診、医療情報提供(医療機関の紹介など)、保健師の家庭訪問などを行っています。対物保健では、食中毒調査、大気汚染対策、飲料水の水質調査、野犬・野良猫の捕獲・管理などに取り組んでいます。
保健所が創設されたのは昭和12年のことです。戦前は対人保健を主とした活動を行っていました。
戦後はGHQの支援のもと、環境衛生と対人保健を一体的に捉えた地域保健を構築していきます。その頃の保健所の主題は、住民の健康状態が悪化し、蔓延する急性伝染病への対策でした。また、食中毒も多発したことから食品衛生についても重点的に展開されました。
GHQが引き上げ、日本が独立してからは、後ろ盾がなくなったことにより保健所の力は弱体化します。
しかし、その後は地域保健の需要が高まるにつれ、保健所は随時対応していきました。
平成23年年現在も保健所は、多様な業務を行いつつ、人々の健康増進に寄与しています。