用語解説
用語の読み
どらっぐ・らぐ
用語の意味
ドラッグ・ラグとは、新開発の薬を患者に投入できるまでの時間差、あるいは海外での新薬を国内承認できるまでの時間差の事です。
また、海外で承認されている薬が国内で承認されない状況が続く事を指している場合もあります。
患者にとって一番いい方法・状況・時期にタイムリーに新薬を投与できず、欧米で効果が認められ、標準的な治療薬とされている薬が日本ではまだ承認されていないとして、使用できない場合がいまだに多いことなどが問題となっています。
これについては、新薬の安全性を確認し保証する事や、保険適用を可能にするときに、様々な立場においての利害が絡むという問題、製造設備や輸入価格が問題となる場合や、法制度的に承認が遅れる場合、販売権等の商業法での問題、など様々な原因が考えられますが、問題の一つとして日本国内の新薬を開発する臨床試験(治験)の環境が欧米に比べて整っていない、と言うことがあげられます。
また、新薬を承認するのにかかる時間が諸外国に比べて長いことも要因といわれています。
厚生労働省の調査で、各国で新薬が発売されるまでにかかった日数を比べてみると、日本はアメリカやイギリスとは2.5年、ドイツとは2.2年、フランスとは1.4年の差があります。
厚生労働省ではこのようなドラッグ・ラグ解消のため、
- 「革新的医薬品・医療機器創出のための5か年戦略」に基づいた施策を官民で推進。
- 国際共同治験の推進や国内の臨床研究体制の整備など、隣総研究・治験環境の整備。
- 審査人員の拡充・質の向上や審査基準の明確化など、承認審査の迅速化・質の向上。
と言った具体的な方策を打ち出し、平成23度には申請前のドラッグ・ラグを1.5年短縮、審査にかかわる時間も1年短縮するとしています。