用語解説
用語の読み
かんごじっせんこくさいぶんるい
用語の意味
看護実践国際分類とは、世界中の医療システムにおいて、看護データを容易に入手・活用できることを展望とする、既存の看護用語の分類体系および看護実践の言語・標準化への取り組みを指します。
ICNPはInternational Classification For Nursing Practiceの頭文字をとったものです。
各国の医療用語を標準的用語集であるICNP(R)とクロスマッピングすることで、世界規模での看護データの比較も可能になると考えられています。
看護実践国際分類は1989年の第19回ICN(国際看護師協会)大会において開発に関する決議がされたことに始まります。
看護職の貢献が社会から理解されていないことは各国に共通する憂慮であり、看護を科学として確立していくためには、看護実践をデータとして示し社会に説明する必要があると考えられました。
しかし、データを集めようにも看護実践の言語化そのものが十分でないという問題があり、そこで看護実践を表す国際共通語を開発する世界規模の取り組みが開始されました。
1999年にはアルファバージョンを下敷きとした第1草案のベータバージョンが開発され、2005年にはICNP(R)の正規版が開発されました。
保健医療分野での情報化が進み、電子カルテシステム導入による医療の質の向上や効率化を目指す前提に、医療用語の標準化・コード化は不可欠となっています。
しかしICNP(R)は看護用語集の一つであるものの、他の用語集のように看護診断や看護活動の枠組みや根拠にはなり得ず、看護実践は科学的問題を解決する看護過程で展開されるものであることから、看護過程のそれぞれの段階に関する知識がICNP(R)活用の前提として必要になります。