用語解説
用語の読み
もんすたーぺいしぇんと
用語の意味
モンスターペイシェントとは、医師や病院に対して自己中心的で理不尽な要求をしたり、医療費を払わない、暴力を振るうなどモラルの欠けた言動を行う患者や保護者のことを指します。
医療技術の進歩で、多くの病気は治癒できるようになってきましたが、今なお治療法がわからないものや、治療法がわかっていても死に至る病は存在します。
そういった医療知識がない一般人は、どんな症状でも「病院に行けば治る」「薬を使用すれば治る」といった過度な期待や希望を抱きがちです。そして治療の結果、自分の思っていたような治癒につながらなかった場合、強い不満をぶつけたり、理不尽な要求を繰り返す患者が増え始め、社会問題化しています。
こうした患者が増え始めた背景として、マスコミによる医療事故の報道が大きく扱われ、患者の権利が声高に叫ばれ始めたことや、終身雇用制度の崩壊をはじめとする社会不安、経済困窮者の増加などがあげられます。
また、医師法第19条には医療機関に患者の診療義務を課すいわゆる「応招義務」が規定されており、その結果病院は度を越した行動をとる患者に対して毅然とした対応をとりにくく、病院に診療拒否権がないことを盾にとる患者が増加しているといった指摘もあります。
モンスターペイシェントへの対策は、あらかじめ起こりにくい環境をつくることが大切です。病院内でモンスターペイシェントや暴力に対する指針を示しておく、もし何らかの事象が起こった場合に備えて警備や警察への緊急通報対策(別名:コードホワイト)をとっておく、他病院で発生した事例を全体で共有しておき、対応策についてマニュアル化しておくことなどがあげられます。実際にクレームなどが発生してしまった場合は、何がきっかけだったのか、それが誤解でないか、正当なものか冷静に確認し、それぞれ対処していくことが大切です。
しかし、薬物依存者や、精神疾患を抱えて情緒不安定になっている患者の場合、行動や言動が予測できない場合もあります。この場合は必ず複数で対処にあたるなど、できるだけ危険を回避して動くことが必要です。
全てを病院内だけで解決しようと思わず、医療安全委員会、警察、弁護士などに相談したり、地域住民や行政と話し合いの場を持つなど、相互連携して解決していくようにしましょう。
不当な行為には決して自責的にならず、毅然とした対応をとることが、明日の医療と病院を守ることにつながります。
看護師・椿(つばき)の一言コメント
モンスターペイシェントはモンスターペアレントの患者版ですね。
今まで実際にあった事例を見ると理由も言わずに突然看護師を殴りつける、待ち時間が長いと受付や看護師を怒鳴りつける、待ち時間が短いという理由で夜間に診療に来る等が起っているようです。
私が健診センターで遭遇したのは、検査結果が問題ないと解ると検査料の支払いを拒否したケースがありました。
ここまで来ると人間のモラルの問題…当然毅然とした態度で支払って頂きました。
このモンスターペイシェントの対応・対策として挙げられているのは、毅然とした態度で接する!!曖昧な態度が一番だめらしい…。
しかし同時に耳を傾けて患者の訴えを聞くということも必要と言われている。
最近は「コード・ホワイト」の導入・監視カメラ・非常警報ベルなど設置する病院も増えているようだ。