用語解説
用語の読み
とびこみしゅっさん
用語の意味
飛び込み出産とは、妊娠しているにもかかわらず、産科・助産所への定期検診を受けず、産まれる間際に初めて医療機関を受診し出産する事を指します。また、このような妊婦のことを未受診妊婦と呼びます。
以前は出産を経験したことのある女性に多かったですが、最近は若年妊婦、外国人女性、経済困窮家庭などに多い傾向があります。
未受診妊婦による飛び込み出産は年々増加傾向にあり、大阪府内では飛び込み出産の事例が2009年1年間で152件にのぼっています。
うち105件(69%)が早産や仮死状態で生まれるなど母子の命に危険が及ぶ「ハイリスク出産」。152件のうち早産などで新生児集中治療室(NICU)を利用した例が46件(30%)で通常の分娩 (ぶんべん)の10倍、低体重児(2500グラム未満)が40件(26%)で同5倍という結果でした。
通常、妊婦検診は出産までに10〜15回程度受けることが望ましいとされており、その間に各種検査や、何らかの症状がある場合は治療を行って、できる限りリスクを減らして出産に向けて準備することが大切とされています。そういった経緯がない飛び込み出産は、母子の健康に対するリスクはもちろん、データがない病院側としても、受け入れが難しい場合があります。2007年に奈良県で「たらい回し」という言葉でニュースに大きく取り上げられた妊婦も、この飛び込み出産でした。
未受診の主な理由は、3割超の50件が「お金がない」、その他は「妊娠に気づかず」「多忙」「複雑な家庭事情」などが続きます。
妊娠・出産は病気ではないため、通院・入院どちらも健康保険の対象外です。各自治体から検診費の補助券が発行されていたり、出産後に申請すれば費用が還付されますが、妊婦側は自費で約40万程度の出費が必要となります。
調査を担当した府立母子保健総合医療センターの光田信明産科部長は「経済困窮、モラルの欠如など複数の要因が絡まり、現状では根絶が難しい。『出産には危険が伴う』と言い続けるしかなく、妊娠検査薬を扱う薬局などと協力した啓発を提案したい」と訴えています。
大阪府では2010年も継続して調査を行い、飛び込み出産の防止に向けて努力していく方針を打ち出しています。
妊婦と病院と行政とが互いに手をとりあい、コミュニケーションしながら、赤ちゃんや子育てを大切に見守っていく社会づくりが今後の課題です。
看護師・椿(つばき)の一言コメント
一時期社会問題となった飛び込み出産は全体の分娩数に比較するとかなり少数ではある。
しかし、飛び込み出産の新生児死亡率は通常の18倍とも言われていてハイリスク出産には違いない!!(病院に断られてしまう可能性も高いし…)
飛び込み出産の正式な名称は産科未受診妊婦と言われていて、その主な理由は金銭的事情が最も多いと言われている(他にも家庭の事情とか認識不足が含まれる)
確かに無料の妊婦検診は何回かの無料健診の他は自費で賄いますし、何しろ保険が効かないから結構高額ですよね。
なんと2012年大阪府の調べでは飛び込み出産が300人の一人はいるというデーターも出ている…(果してこの数は多いのか??)
しかし…妊婦さんは実際赤ちゃんがどうなのか不安に思わないのかなぁ…(一度も検診受けない人もいるって聞くし)
お金は掛るけど赤ちゃんには代えられない!!と思うのが通常の母親の感覚ではないかと思うのです。