用語解説
用語の読み
えんじぇるめいく
用語の意味
エンジェルメイク(エンゼルメイク)は死化粧(しにげしょう)のことで、看護師が行う「死後の処置」の一つです。現在日本人が臨終を迎える場所の8割以上は病院であるため、病院で看護師が中心となってエンジェルメイクをすることが一般的となっています。しかし、院内でエンジェルメイクの研修が行なわれる場合は少なく、外部の講習に参加した看護師が各病棟で伝達することで少しずつ病棟内のマニュアルが見直されているというのが現状です。
エンジェルメイクを十分にできていないと感じる看護師が多い理由の一つに、病棟では物品が不足しがちということが考えられます。死後処置セットとして常置されているエンジェルメイクセットにはファンデーションや口紅、頬紅が入っていますが、それらのカラーバリエーションは乏しく、一人ひとりの肌の色に合うように多くの種類が準備されているわけではありません。化粧をしてみたものの、口紅が赤すぎたりファンデーションのトーンが暗すぎて余計に表情が暗く見えたりということが起こってしまいます。また、エンジェルメイクに使える時間がとても短いことも関係しています。日中はスタッフが複数人いても、夜間帯は最小限の人数で多くの患者の看護をしながらの死後の処置、死亡退院手続き、遺族の対応をしなくてはなりません。
もちろん死後の処置はエンジェルメイクだけではありません。臨終の直前まで使用していた点滴や酸素のチューブ、心電図モニターをはずし、全身をきれいに拭くところから始めます。臨終後には口腔・鼻腔・肛門などに綿花を詰めますが、口腔に綿花を詰めることによって痩せこけてしまった頬をふっくらとさせることができ、それまで本人が使っていた義歯なども用いて表情を整えます。退院時の衣服は、お気に入りのスーツや着物、思い出の洋服など家族の希望によって様々です。
エンジェルメイクをはじめとする死後の処置は、看護師ができる最後のケアです。そのケアは亡くなった方のためだけではなく、最後まで患者の闘病生活を支え続けた遺族のためのものでもあります。エンゼルメイクを通して、残された家族の気持ちが少しでも癒えるような関わりを持つことが看護師に求められます。
看護師・椿(つばき)の一言コメント

エンジェルメイク(ケア)は死後の処置の一つで亡くなった人に化粧を施す行為ですね。
看護師なら多くの人が経験済みではないでしょうか?
特にマニュアルがないので病院ではケアを行う人の好みでアイラインを引いたりチークをしたり口紅の色を選んだりとすることが多いのではないでしょうか。
私はあまり化粧のセンスがないので(普段からノーメイク)お化粧の上手い人に手直しされた経験もある。
でも死化粧で顔色を取り戻すと本当に寝ているだけなんでは??なんて錯覚を起こしたりレベルが良かった時の顔ってこんな顔だったんだ!!と驚くことも多い。
今はこのエンジェルメイクのエビデンスが出来ていて死に化粧の専門会社もある位だと知っていましたか??
医療関係者や葬祭関係者を対象にしているようで、セミナーを行ったり専用キットの販売も行っているようです。
エンジェルメイクは葬儀社がやり直すので必要ないのでは??なんて言う意見もあるようですがやはり患者さんはきれいな顔で病院から送り出したいものです。