用語解説
用語の読み
はったつしょうがい
用語の意味
発達障害にはいくつかの種類があり、それらは現れている症状や本人の感じ方・行動の特徴によって「自閉症」「アスペルガー症候群」「学習障害(LD)」「注意欠如・多動性障害(ADHD)」などに分類されています。これらの発達障害は私たちが持つ「病気」の概念には当てはまらず、生まれつき脳の機能の一部に何らかの障害があるために引き起こされている「その人の特性」と考えるのが適切です。発達障害の症状は生まれたばかりの赤ちゃんの頃には認められなくても1歳前後から幼児期にかけての成長の過程で現れるため、両親が自分の子を「なにかおかしい」と感じたり、自分の行動や考え方などが他の子と大きく違っていることに気付き、どんどん周囲に溶け込むことが苦手になってしまうことをきっかけに発覚したりすることがほとんどです。
これらの発達障害は単独ではなく、複数のタイプを同時に持つ例も珍しくはありませんし、同じ障害でも症状の程度や本人を取り巻く過去・現在の環境によって個人差が大きいという特徴を持ちます。そのため同じ障害と診断されている人同士でも全く違った症状が現れたり、生活スタイルも一様ではありません。また、「自閉症」と「アスペルガー症候群」の診断の基準は学説によっても差があり、ある病院では「高機能自閉症(知的な発達が正常であるが、社会生活・コミュニケーションなどの面で障害を認める状況)」と診断されたにもかかわらず別の病院では「アスペルガー症候群」と診断を受けた、というケースも多く存在します。
自閉症・アスペルガー症候群は多くの場合1歳から2歳の間にその徴候が現れます。幼稚園などの集団生活に馴染みにくいことから親や先生が異変に気付くケースが大半です。自閉症・アスペルガー症候群を持つ子供は人の目を見ようとはせず、他人に関心を示さないという特徴を持ちます。また自分の好きなことには何時間も集中できる一方で予定外のことや初めての出来ごとに直面すると混乱するため、学校生活や職場での対人関係に悩んだりうつ状態になってしまうこともあります。
学習障害(LD)は小学2年生から4年生頃に、勉強や日常生活面で同級生と比べて大きく遅れが出てくることで発覚します。知的発達には問題がない子供が、読み・書き・計算などの特定の分野だけが困難になる状態で、周囲の無知によって本人の努力不足と勘違いされることで余計に自信をなくす原因に繋がります。注意欠如・多動性障害(ADHD 7歳までに発症し、多動性・衝動性・不注意などによって授業に集中できない、じっと座っていられないなどの症状を呈する障害)と同様に、その行動は発達障害によるものか、家庭環境や何らかの精神的な不安などの後天的な理由によるものなのかの見極めが重要となります。
発達障害の治療の基本は、コミュニケーション能力を発達させることによる行動変容と薬物療法の併用です。(発達障害の種類によっては薬物治療の適応がないケースもありますが、不安や睡眠障害などを併せ持つ場合に医師の判断で薬を処方される場合があります。)
また発達の仕方が他の子と異なる子供を持つ親の精神的支援も重要で、発達障害を持つ子供やその親をサポートするための地域のグループ活動に参加することも有効です。
看護師・椿(つばき)の一言コメント
発達障害は先天的な要因によって現れる発達遅延の事を言いますね。
主に症状が多く現れ始めるのは乳児から幼少期と言われています。
代表的なものには自閉症等が挙げられますよね。
発達障害は精神障害や知能障害・身体障害の何れかが当てはまり、最近では知的障害のない発達障害も認知されています(アスペルガー症候群などがこれに当てはまります)
最近は発達障害に気が付かない大人が増加しているという指摘もあるよう…。
集中力がない!!ミスが多い・片づけられない・遅刻が多い・KW(死語か??)又、引きこもりなる要因の一つが発達障害とも言われている…。
発達障害の支援として平成16年には「発達障害者支援法」という法律が成立しています。
発達障害者支援センターの設立により早期発見・地方自治体の支援・発達障害者の社会的支援と自立を促す等支援の確立を目指しているようです。