用語解説
用語の読み
ホスピス
用語の意味
日本におけるホスピスとは、主にがん・後天性免疫不全症候群(エイズ)に罹患した患者で末期症状を呈していると診断された人が入所許可されている施設のことを指します。ホスピスでは病院のように積極的な治療を行うのではなく、患者の不快な自覚症状や死に対する恐怖心・不安を軽減すること目指した症状コントロール・カウンセリングなどが施され、残された人生をその人らしく生きられるようにすることを患者・医療従事者の共通の目標としています。
ホスピスへの入院の条件がこのように限定的になっている理由として、1990年4月にスタートした緩和ケア病棟承認制度により定められた、ホスピス入所基準をあげることが出来ます。入院期間が比較的長くなる終末期の患者が多く入院することは病院にとっては支出の方が大きくなるため、この制度に定められた基準を満たすことで国からの補助金を受けられるようになります。実際にはがんや後天性免疫不全症候群の患者以外でも末期状態で苦しんでいたり、入所できる施設がなくて困っている人がたくさんいるため、この基準を改正するのが望ましいという意見もありますが、3人に1人はがんで死ぬという我が国の状況を見据えてこのような措置が取られました。ただ、緩和ケア病棟の承認を受けていない施設では末期患者であれば病名を問わずに入所できる施設も現に存在しているので、ホスピスを探したい人には最寄りのホスピス相談窓口に行くことが勧められています。
また、ホスピスに入所できる条件として「患者・家族が自分の病名や予後について理解している」「患者・家族がホスピスの趣旨を理解している」ということを掲げている施設が最近では多数派となっています。ホスピス・ケアの基本は、根治的な治療が不可能となった人や単なる延命治療を拒否するという姿勢の人が自分の人生を振り返ったり、家族とかけがいのない時間を過ごすことです。そのため病名告知を受けていない人が入所しても、本当の意味でのホスピス・ケアを受けることが出来なくなってしまいます。
ホスピスへの入所を決めるきっかけとして、家族のすすめが動機となっていることがほとんどです。しかし最近では、家族にすすめられる以前に自らホスピスに入所を希望する人の数が増加傾向にあります。この背景には病名告知が進んだことの他、インターネットや書籍の普及による終末期医療に対する社会的関心の高さなどが影響しているようです。
ホスピス入所中でも普通の病棟に入院するときと同じように社会保険や国民健康保険が適応されますし、高額療養費助成の対象となります。そのためホスピス入院中だからと言って特別にお金がかかるというものではありません。もちろん差額ベッド代を支払う必要がありますが、これは地域や施設の運営方針によって金額に大きな差があります。中には差額ベッド代を徴収しないという施設も存在しています。
看護師・椿(つばき)の一言コメント
ホスピスは治療困難な疾患・末期癌患者が余生を快適に過ごせるように終末期医療(ターミナル)・支援・ケアを行う場です。
一般的には病院の「緩和ケア病棟」がこのホスピスにあたりますよね。(独立型も数は少ないがあるよう…)
ホスピスだからと言って特別料金があるわけではなく保険も適用されるので一般的に入院するのと何ら変わりませんよね。
また在宅ホスピスと言って自宅で緩和ケアを受ける方法もあるようですね。
在宅の場合には介護の中心は家族と言うことになりそのサポートをドクターや訪問看護師が行うことになります。
在宅の場合料金は入院するよりも安くはなりますが家族の負担が大きいのでまだまだ課題もあると言えそうですね。