用語解説
用語の読み
ほーるぼでぃかうんたー
用語の意味
ホールボディカウンター(WBC)とは「全身カウンタ」とも呼ばれる機器で、人の体内に付着・沈着した放射性物質を体の外側から測定することが可能な計測装置です。ホールボディカウンターで測定できる放射性物質として、マンガン-54、コバルト-60、セシウム-137等が代表的なものとされています。これらの放射性物質が体内にどれだけ存在しているのか、また体内にどのように分布しているのかを測定することが可能です。
被験者は検査中ベッドに横たわるだけで痛みなどの苦痛を感じることはありませんが、30分間じっとしていなくてはなりません。このベッドの下には4本の筒状の検出器が設置されており、これが体内の放射性物質が放つγ線(ガンマ線)を計測するという仕組みを持ちます。γ線は原子核の崩壊によって放出する電磁波でアルファ線やベータ線よりも透過力が強いため、体内に存在する場合はホールボディカウンターによって体外からも検出出来ます。また、ホールボディカウンターが全身の放射性物質の定量・分布を計測できるのに対して、肺モニターや甲状腺モニター等の装置が用いられることもあります。これらの機械はある特定の器官に集積した放射線性物質の測定を目的として使用されます。
原発事故等で放射性物質が大気中に放出された場合、まずはじめに地域の自治体などが中心となって避難所に放射能汚染検査所を開設します。住民達はそこで、サーベイメータ(放射線の測定器)によって体表面や衣服、髪の毛等に付着した放射線量を測定されます。その際の結果や専門家の問診・診察などで内部被ばく(体表面だけではなく、呼吸や食事・飲水などで体内に放射性物質が入り込んだ状況)の可能性が強い場合、このホールボディカウンターを用いた検査や、尿中・便中の放射性物質の解析が行われることになります。
看護師・椿(つばき)の一言コメント
WBC検査はNaIシンチレーション検出器を使って全身の内部被ばく線量を測定します。(寝台に30分ほど横になって測定出来るよう)
セシウムとかヨウ素・カリウム40(天然)を検出できるようですね。
最近は福島第1原発事故の影響から内部被ばく線量を知るためにホールボディカウンター検査を受けたい人が増えているようです。
しかしこの検査は特殊な検査ですから(どこの医療機関でも受けられるというものではない)早く一般的になるように望まれています。
検査費用は本来保険の適用ではありません。ですから検査費は実費になってしまいます。
しかし、助成をしている市もありますし、東京電力では特定避難地域の方に検査費用の保障を行っているようです。
福島県に住む人は今一番行いたい検査になるのではないでしょうか。