用語解説
用語の読み
ろうさいびょういん
用語の意味
労災病院の設置目的は「労災疾病等に関する予防から治療、リハビリテーション、職場復帰に至る一貫した高度・専門的医療を提供するほか、労災病院グループのネットワークを通じて、労災疾病等職業に関わる疾病の臨床データ等の収集や研究を行い、医療技術・治験を開発・確立し、地域医療機関に対する予防・治療方法等の普及促進を図ること」とされています。
労災病院の本部(労働健康福祉機構)は神奈川県にあり、労災病院グループは全国にあります。労災病院事業以外では疾病研究センターの他、予防医療センター(過労死予防対策指導、メンタルヘルス不調予防対策、働く女性の健康保持の推進など)、看護専門学校(メンタルヘルスマネジメントや政策医療に関する専門的知識を有する看護師の確保)、医療リハビリテーションセンター・総合せき損センター(労災によるせき損、中枢神経麻痺などの患者の管理やリハビリテーションに特化した施設)の運営を行っています。また労災病院では勤労者医療だけではなく、その地域の中核病院としての役割を果たすことも期待されています。
労災病院はこれらの役割を担うべく、13分野の政策的医療分野において重点的に取り組むこととなっています。具体的には「四肢切断、骨折などの職業性外傷」「せき髄損傷」「騒音、電磁波等による感覚器障害」「高・低温、気圧、放射線等の物理的因子による疾患」「身体への過度の負担による金・骨格系疾患」「振動障害」「化学物質の曝露による産業中毒」「粉じんなどによる呼吸器疾患」「業務の過重負荷による脳・心臓疾患(過労死)」「勤労者のメンタルヘルス」「働く女性のためのメディカル・ケア」「職場復帰のためのリハビリテーション」「アスベスト関連疾患」がそれらにあたります。
労災病院は各病院のネットワークを活かしながら、これらの13分野についてのデータや疾病と職業の関連性についての情報を集積し、労働疾病等の予防法や早期診断法の研究・普及を実施しています。またこれらの研究に関わる研究者数は112人(平成22年度 診療業務と研究の兼務)で、予算額は7.8億円(平成22年度 国費のみ)にも上ります。
職務中や通勤途中に負った怪我や、仕事が原因となって発症した病気を労災(労働災害)と呼びますが、労災を負った場合に労災病院・労災指定病院を受診すると窓口負担なしで医療行為を受けることが出来ます。
看護師・椿(つばき)の一言コメント
日本には現在、東京・横浜・大阪・神戸等々全国32か所の労災病院があります。
労災病院は、勤労者の医療の中核を担う、働く人々の職業生活を医療で支えるという理念の医療機関です。
予防や治療・リハ・職場復帰の為の高度で専門的医療の提供・職場における健康維持の為の活動支援を行っています。
他の医療機関との違いですが、労災病院と言うだけあって、労働災害(アスベストや粉塵、仕事中の怪我等)に関しての症例数が多い特徴があります。
労災病院の看護師の待遇は他の医療機関に比べて高待遇だと言われていて、環境は勿論整っていますし、高年収とも言われて、魅力的な就職先の一つと言えます。