用語解説
用語の読み
そううつびょう
用語の意味
躁うつ病は双極性障害とも呼ばれる気分障害の一種で、躁状態とうつ状態を繰り返す病気です。躁うつ病が治ると精神症状が消失し元通りの生活に戻ることが出来ますが、多くの場合躁状態とうつ状態は反復して出現するため、一回で症状が消失することはありません。また、病気が治ったように見えても放っておくと再発する可能性が高くなったり、年齢が高くなるにつれて再発の間隔が短くなるという特徴を持つ為、継続的に予防療法を行うことが必要となります。
躁うつ病は症状の出現の仕方によってふたつに分けることが出来ます。一つ目が双極Ⅰ型障害といって、はっきりとした躁状態とうつ状態を呈するものです。そしてもう一つが双極Ⅱ型障害といって、軽躁状態とうつ状態を繰り返すものです。軽躁状態は気分が高揚して活発になるためむしろ調子がいいように感じるほどの症状です。自分も周囲の人も軽躁状態に振り回されることがないため、単なるうつ病と受け止められることが多くなります。ただ、双極Ⅱ型障害ではうつ状態を繰り返しやすいため、双極性障害として取り扱われています。うつ病が単独の気分障害として認められることに対して、躁状態だけが単独で発症することはあまりありません。はじめは躁状態だけを呈している人でも、やがてうつ状態が出現する人がほとんどで、躁状態と双極性障害をほぼ同じ障害として捉えられています。
うつ病が持続的に強いストレスにさらされることで誰にでも起こりうる病気であることに対して、双極性障害は100人に1人くらいの割合でしか出現しません。また双極性障害の主な原因は遺伝的な要因による神経伝達物質(セロトニンなど)の過敏症や神経伝達の不安定性とされています。しかし双極性障害はいわゆる遺伝病(一つの遺伝子の異常によって起きる病気)ではなく、このような体質を持ち合わせる人が全て双極性障害を発症させるというものではありません。双極性障害は複数の遺伝子と生育環境などの相互作用によって発症します。うつ病と同じように強いストレスがきっかけで発症する可能性もありますが、それが直接の原因にはならないと考えられています。
看護師・椿(つばき)の一言コメント
躁うつ病は双極性感情障害とも言われていますね。
一般的には双極性障害の躁状態・うつ状態は殆んど回復するものとされていますが、再発することが多く、長期間での薬物治療が必要な疾患と言われています。
原因は関連遺伝子を持ち、潜在的リスクがある人が外的なストレスにより発症すると考えられていますが、必ずしも遺伝性があると訳ではないと言われています。
他にも神経細胞のカルシウムイオンの制御能の変調という説もあり明確な原因があるわけではないようです。
躁うつ病チェックポイントは躁病の場合、多食・ハイ・多弁・落ち着きがない・怒りっぽい・・等々
うつ病の場合は、自殺企図・マイナス思考・不眠・憂鬱・無気力・・等々です。
又、躁うつ病の患者の接し方で一番注意しなければならないことはうつ状態時の「自殺」です。
自殺企図がある場合や態度が急に変った場合には注意する必要がありますね!!
又、躁状態時の場合は、患者は躁状態ですから散財や暴力行為には注意しなければなりません。両者共に言動に「注意」と言うことですね。
一般的な治療は薬物療法心理療法が用いられています。
尚、罹患者は有名人にも多くいます。画家のゴッホやへミングウェイも躁うつ病で、特に作家に多いような印象を受けます。