用語解説
用語の読み
じゅしんじていがくふたんせい
用語の意味
受診時定額負担制とは、外来患者の窓口負担に初診・再診を問わず一律100円を上乗せする制度のこと。従来の医療制度では、小学生から70歳未満の国民が医療費の3割、その他が1割を窓口で自己負担していますが、そこに100円の窓口負担を上乗せするものです。例えば医療費が3000円で自己負担が3割の場合、100円を引いた2900円が保険適応となり、2900円×3割+100円=970円支払うことになります。
この制度は、平成23年5月19日に2012年度の導入を目標に厚生労働省による医療・介護制度改革案の中で提示されました。厚生労働省の試算では数千億円の財源が確保され、浮いた財源は医療費の自己負担が一定額を超えた場合に払い戻しを行う高額療養費制度を見直しや、がん治療など長期高額医療の負担軽減策に回す考えでした。
しかしこの制度は、低所得者および、通院回数の多い患者にとって負担が増えるため、導入を巡って日本医師会などが反対。また、定額負担上乗せは受診抑制につながり、定期診断が必要な患者が通院を控える恐れがあるとの反対意見も相次ぎました。
反対意見を受け、厚労省は住民税非課税世帯を低所得者層と位置づけ、負担を半額の50円とする案を社会保障審議会医療保険部会に提示しました。この場合年間3700億円の財源が確保でき、その財源を一部の中・低所得者の高額療養費の負担減策に充てるとしました。しかし、低所得者層にとっても新たな負担が生じることには変化がなく、政府与党内での慎重意見も強かったため、政府・民主党は2012年度からの導入を見送ることを決定。社会保障審議会医療保険部会でも平成23年12月1日、社会保障・税一体改革の医療改革分野の報告書骨子案で、当制度の導入を当面見送る方針を発表しました。
看護師・椿(つばき)の一言コメント
2011年厚生労働省では、受診するたびに100円上乗せして支払うという定額負担金制度を作ろうとしていました。
結局…医師会からの反対や低所得者への負担増や定期受診の必要な患者の受診控えの問題が起るとされ今回は見送りとなったわけです。
そもそもこの制度の狙いはどこにあるのかというと…。
高額療養費制度の患者負担分を引き下げるという建前はあったようです。
しかし、そこには単に「医療費の削減」の狙いがあるようです「長瀬効果!!」…(給付率の変更に伴い医療費の水準が変化すること)
つまりは患者の負担金が増加すると受診率が低下し給付金が削減され財源を確保できるという政府の狙いがあったとのこと。
医師会の見解資料を見ても「患者負担額の増加は断固阻止!!」という文言が…。
この意見に、いち看護師として「賛成」です!!