目次
目的
- 患者の安楽をはかり、様々な合併症を予防する
必要物品・準備
- 体交枕
- バスタオル
*必要時 (看護師2名で水平移動もしくは上方移動する場合等)
方法
仰臥位から側臥位にする場合
- 体位変換をする方向に枕を移動させ、患者の顔を横に向ける
- 両腕を前胸部で組む(この時、上側になる方を上にする)
- 両膝を可能な限り引き上げ、高く立てる
- 両膝を体位変換する方向へ倒し、肩に軽く手を添え、側臥位にする
側臥位から仰臥位にする場合
- 患者の後頭部を支えながら、枕を中央部に寄せる
- 患者の上側にある下肢を下から支え、屈曲を解きながら後方に回旋する ※安楽枕が挿入されている場合は丁寧に外す
- 上になっている側の肩と腸骨の部分を支え、ゆっくりと背部側に回旋する
- 頭~下肢が一直線になるよう、骨盤の位置を修正する
仰臥位から端坐位にする場合
- 右(左)側から移動する際、左(右)足の爪先をベッドに対して直角にし、両足は介助者の肩幅よりやや広く開く
- 患者の手を肩に置き、腕は掌を下に向け患者の体幹から少し離れた位置に置く
- 患者の頸の部分をしっかりと肘で支え、肩甲骨をしっかりと持ち、浮かせる
- 患者の上半身を手前に寄せ、腕を押さえながら弧を描くように起こす
- 介助者の手を患者の膝の下に挿入し、可能な限り膝を高く立て、背部を支持しながら殿部を軸にして90度回転をさせる
上方移動・水平移動(介助者2名で施行の場合)
- ベッド柵をおろし、ベッドの高さを適切な位置に調節する
※看護師が立位の際、ベッドに掌がつく程度 - 両足を肩幅まで開き、腰を落とす
- 掌を上にした状態で患者の下に引いてあるバスタオルを持つ
- 患者の肩と骨盤の直近までバスタオルを手に持ったまま寄せる
- 上方へ移動する場合、患者の首から肩の辺りに立ち、患者と呼吸を合わせて移動する
- 水平に移動する場合、患者を引く側の介助者は腰を適切な位置に落として自分の重心を後ろ側に水平移動させながら、同時に患者を手前に引き寄せる
水平移動(介助者1名で施行の場合)
- 患者の後頭部をしっかりと支えながら、枕を手前に移動し、頭を枕に戻す
- 患者の四肢を可能な限りコンパクトにまとめる
- 上半身と下半身を分けて移動する
上方移動(介助者1名で施行の場合)
- ギャッジアップをしている場合は、ベッドを水平に戻す
- 患者の上半身を可能な限りコンパクトにまとめる
- 患者に近い方の介助者の膝を患者の骨盤と反対側に位置する肩とを結ぶ対角線上に置く
- 患者の肩甲骨と、反対側の肘を持ち、介助者の膝で頭部を支える
- 介助者の体軸の方向に引き寄せて、膝の上に乗せる
アセスメント
- 振り子の原理やてこの原理など、物理学の視点から根拠を理解して行っているか
注意点
- 介助者の身体に負担がかからないように工夫する
- 協力できる部分は協力してもらうよう患者に促し、自立に向けた関わりを行う
- 施行時はベッドの高さを腰の高さまで調節して行うと腰痛予防になる(転落の危険性もあるため終了時に必ずベッドの高さを低床にする)