目次
目的
- 糖尿病患者は高血糖の状態が続くことで、神経障害や血流障害を起こしやすい状態にある
- 糖尿病による足先のトラブルは、壊死などの重篤な状態を招き、場合によっては切断となることもあるため、患者自身が日頃から足のケアを行えるように援助する
方法
足トラブルを起こしやすいリスクの評価
- リスクの把握
- 血糖コントロールの状況、神経障害の有無や程度、視力低下の有無や程度、腎障害の有無や程度(透析を受けているか)
足の観察ポイント
- 観察ポイント
- 浮腫や創の有無、乾燥や亀裂の有無、骨の変形、部分的な発赤・腫脹・熱感・冷感の有無、胼胝や鶏眼の有無、爪の色や形は正常か、爪白癬の有無など
全身状態の把握
- 糖尿病の病状
- 神経障害の有無と重症度、腎障害の有無と程度、全身の栄養状態、視力障害の有無や程度
- 肥満度
- 肥満度の程度、前屈姿勢がとれるか
- セルフケアの障害となる行動範囲
- 足まで手が届くかなど
生活状況の把握
- 足の衛生を保てるか
- 独居なのか家族と同居か、高齢者のみの世帯か、経済状況はどうか
- 足(血管)へのストレス
- 喫煙歴の有無や喫煙本数、足の圧迫など末梢の循環障害を起こしやすい生活ではないか、コタツや湯たんぽなどを使う習慣の有無、足への圧迫が多いか、長時間にわたる負担はないか、など
患者自身の足への関心
- 関心度
- 自分の疾患への関心、フットケアの重要性への関心など
アセスメント
足トラブルを起こしやすいリスクの評価
- 糖尿病患者はいくつものリスクを抱えていることが多い
- 特に血糖コントロールが非常に悪い場合は感染しやすい状態にあるため、小さな創からでも感染を起こすと全身状態が悪化し、場合によっては足の切断に至るため注意が必要
足の観察ポイント
- その時の状態の把握も重要だが、経時的な判断が必要となることもある
全身状態の把握
- 神経障害により低温熱傷や潰瘍を発症するリスクが高くなる
- 腎障害により浮腫を起こしやすく、全身の栄養状態も低下しやすいため、創の治癒が遅延する
- セルフケアが困難となるリスクは、視力障害、肥満(自分の足に手が届くか)などもある
生活状況の把握
- 足の衛生を保てるか
- 自分自身でのケアが難しい場合、家族や介護者など他者によるサポートが期待できるかどうかが問題となる
- 足(血管)へのストレス
- 喫煙歴や末梢の循環障害をおこしやすい生活は、どう改善すれば良いかを患者とともに考えることも必要
患者自身の足への関心
- 自分の疾患の病状への関心度や、フットケアの重要性への関心度は、セルフケアの基本である「自分の足を大切にする」ためには重要である