移乗 車椅子(全面介助)
移乗 車椅子(全面介助)【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2012年5月23日
最終更新日:2012年5月23日
(変更日:2013年4月13日) ※
目的
- ベッドから他の場所へ移動する
- 両下肢に麻痺がある場合は、看護師が全面介助して行う
必要物品・準備
方法
- 移動の必要性と、移乗の流れを説明し、患者さんに理解と協力を得る
※ベッドサイドのスペースは十分かを確認し、必要があればベッド周囲を整頓する - 車いすをベッドサイドへ持って行き、ベッドに対して20~30°の角度で設置する
※車いすのブレーキを必ずかけること - 車いすのアームレストとベッドの高さを同じくらいになるように調節する
- 患者さんをベッドサイドに端坐位で座れるように体位を整える
- 看護師の首の後ろへ両腕を回し、深く手を組み、上半身の重みを看護師に乗せる
※患者さんは前傾姿勢になるので、自然な立ち上がり動作がとれるようになる - 車いすに近い側の患者さんの下腿を看護師の両膝で挟み、患者さんの下半身の重みを看護師の大腿で受けるようにして、立ち上がり動作を介助する
- 看護師は患者さんの腰の後ろで手を組み、脇をしめて、患者さんの上半身を自分のほうへ引き寄せる
- 看護師は車いすに近い方の足を軸にして、車いすの方へ向き合うように患者さんの向きを変える
※この時に看護師が軸足を動かすと、一瞬でも患者さん+看護師の全体重が片足にかかるため、不安定になって危険 - 一度浅い位置にゆっくりと腰かける
- 看護師は車いすの後ろ側へ回り、患者さんの両脇の下から(背後側から)腕をいれ、肘に近い位置で腕を把持する
- 患者さんの上半身を少し前傾させ、やや上に引き上げるように手前に引く
- フットレストを上げ、患者さんの両足を載せる
アセスメント
- 車いすに深く腰掛け、しっかりと椅座位がとれているか
- フットレストに足を載せた時、足を揃えて座っていられるか
注意点
- 両下肢に麻痺がある場合、フットレストに足を載せた時にバランス良く載っているかを確認する
※両下肢が開いてしまう、フットレストから足が落ちてしまう場合は、移動中に足が引っかかり痛める危険性がある - 椅座位が上手くとれず、ずり落ちた姿勢のまま移動すると、転落の危険性がある
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