持続的導尿カテーテル挿入と管理
持続的導尿カテーテル挿入と管理【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2012年7月16日
最終更新日:2021年02月22日
(変更日:2021年3月19日) ※
目的
- 体外へ尿を排泄させるために、無菌操作で持続的尿管カテーテルを挿入する
必要物品
- 滅菌手袋
- 導尿セット(滅菌済の覆布、カテーテル、畜尿バック、滅菌蒸留水、注射器など)
多くの施設では、導尿セットと蓄尿バックがセットになったものを使用しているため、これらが一式揃って梱包されていることが多い
- 潤滑剤
- セッシ
- 消毒(0.02%グルコン酸クロルヘキシジン、0.02~0.05%塩化ベンザルコニウム、10%ポビドンヨードなど)
- 綿球
- ガーゼ
- 消毒用カップ
- バスタオル
- 固定用テープ
方法
- 持続的な導尿カテーテル挿入の目的、方法を説明する
- スクリーンやカーテンで仕切り、患者の羞恥心に配慮した環境を整える
- 患者の体位を整える
- 女性の場合
- 両膝を立て、股関節を外転させる
- 看護師側の下肢の股関節を外旋させ外陰部を露出しやすくする
- バスタオルやタオルケットで下肢を覆う
- 男性の場合
- 下肢は伸展し軽く外転させ、バスタオルやタオルケットで露出を最小限にする
- 手洗い・手指の消毒を行う
- 患者の足もとに滅菌布を広げる
- 消毒用綿球、ガーゼ、カテーテル、蓄尿バッグ、注射器など必要物品を置く
- 綿球やガーゼに潤滑剤を含ませる
- 滅菌手袋を装着する
- 連結チューブとカテーテルを接続する
- カテーテル挿入時、尿道口周囲の常在菌を膀脱内に持ち込まないよう、尿道口及び周囲を消毒する
女性の場合、尿道口が見えるよう陰部を保持し小陰唇を開き尿道口を確認し、上から下の方向へ消毒を行う
男性の場合、包皮を下げ亀頭を出し、尿道口周囲から下方向へらせんを描くよう拭いて消毒を行う
- 綿球やガーゼなどに含ませておいた潤滑剤を、カテーテルの先端に塗布する
女性は、消毒の際に開いた小陰唇が閉じないよう陰部を保持し、4~6 cmカテーテルを挿入する
男性は、陰茎を腹壁に対し直角に保持し、約20cm挿入する
- 尿流出を確認し、さらに2~ 3 cmほどカテーテルを進め、規定量の滅菌蒸留水をバルンに注入する
- カテーテルが抜けないことを確認する
- 適切な位置へテープで固定する
観察項目
- カテーテル固定部の皮膚状態
- 蓄尿バッグが床についていないか
- 尿量、尿性状
- 下腹部不快感
- 尿意
- カテーテルの屈曲の有無
- カテーテルによる尿道・膀脱内の損傷の有無
アセスメント
- 事前に注射器でカテーテルのバルンの破損の有無を確認したか
- 尿道損傷予防のため、必ず尿流出を確認したか
- 尿の色・性状に異常はないか
- 排泄口からの感染を予防するため、蓄尿バッグを床につかない高さに固定したか
- 逆行性尿路感染防止のため、蓄尿バッグは膀胱より低い位置であるか
注意点
- 処置中は声掛けを行い緊張や不安を和らげる
- バルン固定の際生理食塩液は塩分により内腔を開塞させ、カテーテル抜去できなくなる可能性があるため必ず減菌蒸留水を用いる
- 男性の場合、陰茎を下げたままカテーテルを固定すると、カテーテルの重みで尿道、陰嚢角部にびらんや潰瘍、尿道皮膚瘻を生じる危険性がある
- 使用した滅菌手袋には、感染性のある汚染物が付着している可能性があるため自分の手指が減菌手袋の外側に触れないように注意する
- 陰部洗浄などにより感染予防に努める
- 導尿は苦痛や羞恥心を与える行為であるため、必要性と合わせてこの点も十分に説明し、理解してもらうことが大切である
看護師がカテーテル挿入を実施するかどうかについては所属の医療機関の方針に従うこと(男性の処置については、尿道損傷リスクの観点から看護師が実施をしない医療機関もある)
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