目的
- 尿路系ストーマ造設後に、トラブルなくセルフケアが行えるように援助する
必要物品
- 皮膚保護剤付きの装具(耐久性のあるもの)
- 単品系装具または二品系装具
- 脚用蓄尿袋
- 固定具
- 消臭薬
- 剥離薬
- 凝固薬
- ストーマ袋
- カバー
方法
ストーマ装具交換時
- 皮膚保護剤をはがす
- ストーマ周囲の皮膚を石けんと微温湯を用いて清拭する
- ストーマの大きさを測定し、ストーマ径よりも5mm程度大きめに皮膚保護剤をカットする
- 必要時は皮膚保護剤とストーマの隙間にパウダーを埋める
※ストーマ周囲の皮膚に凹凸がある場合ペーストで補正、補強する - 乾燥した皮膚に しわができないよう装具を貼る
- ストーマ袋の空気を抜き、底部をクリップまたは輪ゴムで閉じる
※カテーテルを逆流防止弁の上で固定する
※ストーマ袋の容量は400~ 500mLであるが袋の1/3程度貯留したら尿を廃棄する
観察項目
- 粘液混入の有無
- 出血の有無
- 混濁の有無
- ストーマの色
- 出血の有無
- 浮腫の程度
- 粘着面の皮膚保護剤の溶け具合
- 膨潤の状態
- 装具のストーマ孔の大きさ
- 尿のpH
- ストーマの大きさ、形
- 炎症所見の有無
- 離開の有無
- 皮膚の発赤やびらんの有無
アセスメント
- 排泄物が水様性であり溶解しやすい皮膚保護剤は皮膚傷害を招く恐れがあるため皮膚の観察を行う
- 排泄物や溶解した皮膚保護剤などの刺激により、浸軟、紅斑、偽上皮腫性肥厚がみられることがあるため、粘着面の皮膚保護剤の溶け具合、膨潤の状態、装具のストーマ孔の大きさ、尿のpHなど観察する
- 装具粘着面毛包炎や汗疹が起きやすい部分であるため清潔保持し、尿路感染予防につとめる
- 腎瘻・膀胱瘻などは、腎臓や膀胱から皮膚表面に直接カテーテルが繋がっているため、逸脱の早期発見に努める
注意点
- 皮膚の清潔の保持、刺激物の除去、機械的刺激を軽減し感染を予防する
- 見た目が変わっていることを受容でき、ストーマの特徴と排泄機能、セルフケアの手順、ストーマ周囲のスキンケアの方法、使用する装具などについて指導する
- 日常生活の注意点についても指導する
- 水分摂取は、1日1,500~2,000mL程度尿量が確保できる程度が必要
- ストーマを締め付ける衣類は避ける ?社会復帰は腹圧が過剰にかかる労働は避ける ?オストメイト対応トイレが増えているため、外出時や職場に設置されていれば利用できる
- 入浴については、回腸導管の場合は装具を外して入浴が可能だが、公衆浴場では装具をつけたまま入浴する
- 逆行性尿路感染を予防するため、尿管カテーテル留置中や尿管皮膚瘻の場合、シャワーは装具を外して行ってもよいが、浴槽に入る場合はストーマ袋を付けたままとする
- 入浴後はタオルなどでストーマからの尿を吸収し、汗が治まったら周囲の皮膚を微温湯(38℃前後)で清拭してから水分をふき取り、装具を装着する ?蓄尿袋は1/3程度溜まったら交換する
- 夜間は床用蓄尿袋などを利用する(容量が大きいもの)
- 患者自身がセルフケアを行えるよう、看護師側もストーマ管理における知識・技術を身に着け、適切な指導を行う