画像診断 MRI検査

画像診断 MRI検査【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2012年8月6日
最終更新日:2018年06月12日
(変更日:2019年10月28日) ※

検査の概要

  • レントゲンやCTを使わずに、画像診断する方法である
  • 体内にある水素の性質を利用している
    • 水素原子は通常バラバラな方向を向いているが、ある一定の磁気を当てると一斉に一定の方向へ向き(磁気共鳴現象)、磁気を切るとバラバラな方向へ向く
    • 水素原子は方向を変える時に方向転換する時に微弱な電波を出す
    • この微弱電波を読み取ることで、臓器の種類と部位を判断する
  • MRIにも多少の電磁波はあるが、放射線を使わないのがCTとの大きな違い
  • ただし、MRIは検査費用が比較的高額なため、疾患と症状、検査時間、費用などを総合的に考え、検査の必要性を検討する
  • 利点
    • 放射線被爆がない
    • 病変を3次元で捉えることが可能
    • 軟部組織の描出が可能
    • 頭蓋底・脳幹・脊髄などの病変が把握できる
    • 血管の走行も理解できる など
  • 欠点
    • 検査中に大きな音がする
    • 適応となる患者に制限があるなど

MRIが治療方法の決定に大きな影響がある場合の例(脳疾患)

  • 血栓溶解療法の施行により改善が期待できる場合
  • 急性期脳梗塞の診断
  • CTでは判断できない脳出血やクモ膜下出血
  • 脳炎や脳腫瘍、奇形、変性疾患、椎間板ヘルニア、脊髄損傷、浮腫など

看護のポイント

禁忌

  • インプラント等、金属類が挿入されている場合(MRI非対応の脳動脈クリップやステント、人工関節や骨折治療用インプラント)
  • ペースメーカー
  • 妊娠初期
  • 刺青(タトゥー)、アートメイク
心臓の人工弁、人工骨頭や整形用プレートも場合によっては禁忌

注意点

  • 患者へのオリエンテーション
    • 金具付きの下着、アクセサリー、義歯、補聴器やメガネ、湿布や磁気治療具などは全て外す
    • 化粧をしている場合はきちんと落とす(マニキュアなど金属成分が含まれている可能性がある)
  • ドレーンなどを固定する安全ピンなどもすべて外す
金属を身に着けている場合、命に係わることもあるため、看護師も一緒に入室する場合は身に着けているボールペンやハサミなどを外すこと

画像を読むポイント

  • 正常画像の基本形を日頃から見慣れておく
  • 基本的な解剖はしっかり理解しておく
  • 見えるはずの組織が見えない、あるべきではない組織や陰影がないか、明らかに組織の大きさや形が違う点は無いか、などを確認する
  • 時間の経過と共に変わっていく画像、撮影方法によって変わる画像のポイントを把握しておく
    脳梗塞の場合、発症後1時間以内なら拡散強調画像が、発症後数時間以内ならFLAIR画像が、発症後数時間から12時間以内ならT2強調画像がその病変を表しているといわれている
    脊椎の場合、T1強調画像とT2強調画像を比較すると、椎間板ヘルニアがはっきりと分かりやすい

画像を読み取るポイントの例(頭部MRIの場合)

  • T1強調画像:解剖的な構造が分かりやすい
    (水分が多い部分が黒く、脂肪・造影剤は白く映る)
  • T2強調画像:急性期の病変が分かる(水分が多い部分が白く、出血は黒く映る)
  • 拡散強調画像:主に急性期の脳梗塞診断に非常に役立つ
  • FLAIR画像:脳室の周辺や白質の病変、血管が閉塞している部分がわかる
  • MR血管撮影:血管自体の閉塞や新生血管が分かる
本コンテンツの情報は看護師監修のもと、看護師の調査、知見、ページ公開時の情報などに基づき記述されたものですが、正確性や安全性を保証するものでもありません。
実際の治療やケアに際しては、必ず医師などにご確認下さい。
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