用語解説
用語の読み
ばいたる・さいん
用語の意味
バイタル・サインとは、生命(Vital)の兆候(Sing)という意味で、患者の生きている証とも言える意味合いを持ち、患者の生命に関する最も基礎的な情報です。一般に、バイタル・サインは脈拍・呼吸・血圧・体温の4つの生体情報を指しますが、救急医学領域では意識レベルを追加した5項目で扱うことがあります。
脈拍は心臓の動きを表します。計測は1分間の脈拍数とリズム、緊張度で行なわれますが、15秒間で行なわれる場合もあります。また、不整脈があった場合には1分間以上測定します。脈拍の正常値は毎分50〜60回で、50回以下を除脈、100回以上を頻脈と呼びます。
呼吸は肺の伸縮による運動を指します。呼吸の診察は脈拍の測定と同時に始めます。呼吸は心臓と異なり、ある程度は意識的に変化させられるので、診察者は患者の様子を観察する必要があります。
血圧は心臓から送られた血液が動脈壁に及ぼす力を指します。部位によって圧分布があり、基本的に末梢になるほど低い値となります。測定法は、直接法と間接法の二種類があり、直接法は血管内に測定用カテーテルを挿入し測定することから、最も正確な血圧測定法と言えます。間接法は、マンシェットのゴム袋に空気を送り込むリバー・ロッツィ法や水銀血圧計を使った水銀法、触診法、聴診法と様々です。直接法に比べ、体を傷つけず、簡単に行なえるのが特長です。
体温の測定は、通常水銀体温計または電子体温計を用いて行ないます。計測部位は、脇の下か、口の中がほとんどです。部位によって温度が異なるので、各部位の測定方法、注意すべき点について理解しておく必要があります。特に口の中で測る場合は、直前に熱いものや冷たい物を食べていないかの確認が必要です。