用語解説
用語の読み
しんりょうほうしゅう
用語の意味
診療報酬とは、病院・診療所・薬局などの保険医療機関が診療や検査、投薬などの保険診療を行った場合に、その対価として保険者から医療機関に支払われる報酬をいいます。この診療報酬は、医科、歯科、調剤の3種類に分類されており、報酬額は診療報酬点数表に基づいて計算され、1点10円で換算されます。
現在の医療保険制度は、すべての国民がいずれかの医療保険に加入する「国民皆保険」であり、医療機関で診療を受けたときの患者本人の負担額は医療費の2割〜3割に抑えられています。診療報酬は、保険の財政状況や物価、経済状況などを参考に2年に1度改定されていますが、医療制度改革の中で診療報酬点数の減額が大きな課題となっています。これは、国民の約4割が加入する国民健康保険では各市町村や特別区が保険者であり、診療報酬の増額が地方財政を圧迫することになるからです。
医療機関が診療報酬を請求する際には、医療保険の支払機関に診療報酬明細書(レセプト)を提出します。社会保険診療報酬支払基金などの機関は、その医療費請求が正しいかどうかレセプトを審査し、健康保険組合などの保険者に診療報酬の請求を行います。そして、保険者は支払基金を通して医療機関に被保険者にかかわる診療報酬を支払う仕組みになっています。診療報酬の支払には、個々の診療行為についてそれぞれ診療報酬を算定してその合計額を払う出来高払い方式と複数の診療行為をまとめて定額で払う包括払い方式(定額払い方式)があります。
2003年にまとめられた医療制度改革の基本方針では、(1)医療技術の適正な評価、(2)医療機関のコストなどの適切な反映、(3)患者の視点を重視した情報公開、などを基本として診療報酬体系を見直すことが決められました。