検体検査1 血球算定のポイント
検体検査1 血球算定のポイント【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2013年3月12日
最終更新日:2018年06月12日
(変更日:2013年4月24日) ※
目的
血中に含まれる白血球、赤血球、血小板を測定することで全身状態を把握する
必要物品・準備
- 採血用シリンジ
- 血球算定用スピッツ
※真空採血管の場合、真空採血管(スピッツ)、翼状針またはベネジュクト針など - 駆血帯
- 患者名等のラベル
- アルコール綿
- 非滅菌手袋
観察項目
白血球(WBC)
- 正常値:35~90×102/μL
- 高値の時:感染症、白血病、心筋梗塞、術後・熱傷後など
- 低値の時:再生不良性貧血、抗癌剤投与など
赤血球(RBC)
- 正常値:男400~570×104/μL、女性380~500×104/μL
- 高値の時:真正多血症、脱水、心疾患など
- 低値の時白血病、悪性貧血、消化管出血など
ヘモグロビン(Hb)
- 正常値:男性13.0~17.0/dL、女性12.0~15.0/dL
ヘマトクリット(Ht)
- 正常値:男性40.0~51.0%、女性35.0~45.0%
血小板(PLT)
- 正常値:13~37×104/μL
- 高値の時:出血、本態性血小板血症、脾摘後など
- 低値の時:急性白血病、再生不良性貧血、突発性血小板減少性紫斑病など
平均赤血球容積(MCV)
- MCV(fl) = Ht(%) / 赤血球数(×10の6乗/μL) × 10 で算出する
- 小球性:~79fL
- 正球性:80~100fL
- 大球性:101fL
平均赤血球色素量(MCH)
- MCH(pg) = Hb(g/dL) / 赤血球数(×10の6乗/μL) × 10 で算出する
- 低色素性:~26pg
- 正色素性:27~32pg
- 高色素性:33pg~
平均赤血球色素濃度(MCHC)
-
基準値:31.0~36.0g/dL
- 36.1g/dL以上は、新生児期あるいは遺伝性球状赤血球症など
MCVとMCHは対で考えると分かりやすい
● 小球性低色素性貧血:鉄欠乏性貧血など
● 正球性正色素性貧血:溶血性貧血、急性出血、慢性腎疾患など
● 大球性高色素~正色素性貧血:巨赤芽球性貧血、慢性肝疾患など
アセスメント
- 正常範囲から逸脱している数値の理由を検討する
- 検査条件などによる手違い、測定ミス、計算違いの有無についても確認する
注意点
採血時の注意点
- 凝固を防ぐため、抗凝固剤と十分混和させる
- シリンジ採血の場合は分離が始まる前に素早くスピッツへ分注する
保存時の注意点
- 時間の経過により血球形態に変化を生じるため素早く検査を行う
- 検査まで時間が空く場合は冷所保存とし血小板凝集に留意する
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