目的
- 安全にCT検査を行えるように援助する
CT検査の特徴
メリット
- 短時間で撮影が済む(通常の場合は10分程度、造影CTの場合30分程度)
- 急性期における出血、骨、石灰化病変、空気の描出に優れている
デメリット
- 放射線被曝の可能性がある
検査前
造影剤を使用する場合
- 事前に医師の指示を確認し、食事時間の調整を行う
- 基本的に、検査6時間前は絶食(水分摂取は可能)
- 造影剤を使用する際は、事前にアレルギーの有無を確認しておく
ケアの手順
- 検査室に行くまでの移送方法を選ぶ
- 検査を行う目的を患者に説明し、事前に排泄を済ませてもらう
- 検査室への移動後、患者誤認防止のためリストバンド等で照合を行い、名前や生年月日を口頭で言ってもらう
- 金属類(眼鏡、ヘアピン、ピアス、補聴器、義歯など)は事前に外してもらう
- 寒さを感じる場合もあるため、室内の温度に配慮する
- 検査台に移動する際、ドレーンやルート類の誤抜去が起こらないようにまとめる
- 車椅子から検査台に移動する場合は、転倒予防のため、必要に応じて介助する
- 検査台では仰臥位になる
- 頭部から頸部にかけて真っ直ぐになるように注意し、頭部の固定を行う
- 心電図モニターなどを装着している場合は、異常の早期発見ができる場所に配置する
検査中
- 副作用出現の場合は造影剤投与を中止し、すぐに意識状態、バイタルサインの確認をし、医師へ報告する
- 特に造影剤によるアナフィラキシー症状が出現した場合は重篤化する恐れがあるため、事前に急変対応の準備をしておく
検査後
- 急激に立ち上がると起立性低血圧が起こる危険性があるため、一度、座位をとる
- めまいなどの症状出現がないことを確認してから検査台を降りてもらう
- 造影剤による副作用の出現を軽減させるため、検査後には水分を十分に摂るよう説明する
- 穿刺している部位が確実に止血されているか確認する
- 検査が終了した後に倦怠感、浮腫、湿疹、掻痒感などの症状が出た場合は、速やかに報告するよう説明する
観察項目
- 血液の逆流、熱感の有無
- 副作用出現の有無(造影剤を注入する場合)
造影剤による副作用
軽症の場合
- 嘔気・嘔吐、咳、喉頭不快感、発疹・発赤、掻痒感など
中等度の場合
- 呼吸困難、血圧低下(80~90mmHg)、喘鳴、顔面の浮腫など
重度の場合
- ショック、心停止、呼吸停止、喉頭浮腫、血圧低下(80mmHg未満)
注意点
- 検査台は幅が狭く、比較的高い位置で撮影されるため、転落防止をすることが大切である
- 撮影中に訴えがある場合の合図を事前に決めておき、自己判断で動かないように説明する
- 安静保持が不可能な場合は、状況によって転落防止用ベルトで体動制限をしたり、薬物などで鎮静を行う
- 意識障害や高次脳機能障害がある患者の場合、転落防止のため放射線防護衣を着用することも検討する
- 以前からアレルギーがある患者だけではなく、喘息や腎疾患の既往の有無を確認し、検査を行えるか検討が必要である