眼球運動の試験

目的

• 動眼神経・滑車神経・外転神経の異常の有無を調べる

方法

1. 患者の前方約50cmの辺りに指標となるもの（指先やボールペンなど）を立てる
2. 顔は動かさないようにし、眼だけでその指先を追ってもらう
3. 上下と左右に指をゆっくりと動かし、各方向の端にくる度、指を止める
4. 眼球運動の異常、眼振、複視があるかどうかを確認する
   ※ここまでが4方向での試験
5. 異常がみられた場合、顔は動かさず、右方向を見てもらい、再びゆっくりと右上・右下に指を動かし、目だけで追ってもらう
6. 次に顔を動かさずに左見てもらい、同様に左上・左下に指を動かし、目だけで追ってもらう

観察項目

• 眼球運動の異常の有無
• 眼振、複視の有無

アセスメント

• 上を見るときは場合は、上直筋・下斜筋が共に作用する
• どちらの働きが強いかは、横の向き（外または内）によって変化する
• 外側を見た状態から上側を向く場合は主に上直筋が強く働く
• 内側を見た状態から上側を向く場合は主に下斜筋が強く働く
• 滑車神経麻痺の場合、偏位を少なくしようと頭と顔の位置を健側に傾け、顎を引いて頭を下げ視線を調節する代償性頭位の姿勢をとる
• 動眼神経麻痺の場合、眼瞼下垂、複視などの眼球運動障害、対光反射の消失などが起こる
• 動眼神経麻痺は、脳動脈瘤や糖尿病などが代表的な原因である

注意点

• 右上、右下、左上、左下の眼球運動を調べる場合は、指を中心から直接斜めに動かすのではなく、しっかりとそれぞれ右・左を見てから行う