目的
- JCSを用いて意識レベルの評価を行う
特徴
- 覚醒状態を軸として、認知障害と覚醒状態をスケールに反映させている
- 覚醒の度合いによって、3段階に大きく分類されている
- 大きく分類された3段階を、更に3段階へと分類する(見当識障害、言語反応、運動反応)
- 更に、不穏(R)や失禁(I)、無動性無言症(A)が見られる場合は、その旨を追記する
- JCSはこれらの特徴から、3-3-9度方式という呼び名もある
評価基準
Ⅰ: 刺激をしなくても覚醒している
1 ほぼ意識は清明であるが、ややぼんやりとしている
2 見当識障害が見られる
3 自分の名前や生年月日を言うことができない
Ⅱ 刺激をした時には覚醒するが、刺激をしないと眠ってしまう
10 通常の呼びかけにて簡単に眼をあける
20 大きな声で呼びかけるか、あるいは身体を揺することで眼をあける
30 痛み刺激を与えながら、なおかつ幾度か呼びかけを繰り返すと何とか眼をあける
Ⅲ 痛み刺激を与えても覚醒しない
100 痛み刺激を与えると、払いのけ動作が見られる
200 痛み刺激を与えると、軽く四肢を動かしたり、苦痛表情が見られる
300 痛み刺激を与えても、全く反応しない
方法
- 上記評価基準を元に、患者の状態がⅠ~Ⅲのどれに当たるかを評価する
- 評価した分類が、どの点数に属しているかを評価する
- 「R:不穏状態、I:失禁、A:無動性無言症」のどの状態かを評価する
アセスメント
- 痛み刺激を加える方法は、大きく分けて、健側の手足の爪の部分をある程度の強さで圧迫する方法や、胸骨の部位を拳で圧迫するという2種類の方法がある
- ポイントは、痛み刺激と呼びかけを同時に繰り返しながら行うことと、感覚障害の有無がわからない場合は、複数の部位に痛みの刺激を加えることである
- 刺激しないでいると再び眠ってしまう場合には、意識障害の可能性も視野に入れる
- 刺激しなくとも15秒以上覚醒していれば、「覚醒している」と判断する基準の1つになる
注意点
- 失語や認知症を軽度の意識障害と間違えないよう注意する