鼻腔洗浄の介助

目的

• 鼻腔洗浄を行う患者に適切な介助を行う

必要物品・準備

• 鼻処置時の器具
• 専用の薬剤
• 上顎洞穿刺針（京大式穿刺針やシュミット探膿針など）
• 洗浄用のゴム球管、アダプター
• 自然口洗浄管
• 対孔洗浄管
• 温めた生理食塩水
• エプロン
• 膿盆（大）

観察項目

• 穿刺部位からの出血の有無
• 不快症状の有無
• ショック症状の有無

方法

1. 基本的な鼻内の処置を行い、下鼻道側壁の局所麻酔を施行後、5～10分程度待つ
2. 上顎洞穿刺針を刺入し、ポンプの吸引を行うことで貯留液の有無が確認できたら、ポンプを回転させ、刺入針から外す
3. ゴム球管に接続されているアダプター部を回転させ穿刺針にしっかりと接続する
4. 患者に頭部前屈を促し、「アー」と発声を続けてもらう
5. 生理食塩水を注入しながら洗浄する
6. 洗浄終了後、アダプター付きのゴム球管を回して取りはずし、アタッチメントをつけた抗生剤などを準備したピストンを穿刺針に接続、注入後に穿刺針を抜去する場合と穿刺針をそのまま抜去する場合があるため、決められた方法で抜去を行う
7. 穿刺針を抜去した再度、鼻内の処置を行う
8. 穿刺した部位の出血の有無を確認する
9. 綿球を鼻の入口部に挿入する

アセスメント

• 鼻腔洗浄を行う目的を理解しているか
  • 急性・慢性副鼻腔炎あるいは歯性上顎洞炎などにおいて、特に上顎洞内に著明な貯留液が見られる場合に上顎洞洗浄を施行し、貯留液を排泄する
  • 副鼻腔手術後にも、洞粘膜病変の改善と創部の早い段階での治癒を期待して行われる場合がある
• 神経源性ショックの要因を理解し、観察を行っているか
  • 要因としては局所麻酔時、上顎洞穿刺針を刺入する際の痛みや恐怖心などがある
  • 苦痛様の表情、バイタルサインなど全身状態の変化を観察する

注意点

• ピストンやゴム球管へのアダプターのアタッチメントの装着状況を事前によく確認する
• 古いゴム球管のままだとゴムに亀裂が生じ、その部分から生理食塩水が漏出したり、洗浄する時に十分な圧力が得られない場合があるので日頃から定期点検を行う
• 処置時のアダプター付きゴム球管やアタッチメント付きピストンの交換、あるいはポンプの交換がスムーズに施行できるように事前に処置手順を理解し慣れておく必要がある
• 処置終了後、膿盆内にある洗浄液はしばしば細胞診などの検査に提出することもあるため、廃棄しても良いか医師に確認する
• 小児にも施行されることがあるので、恐怖心を取り除くようやさしく声をかけ、介助を行う
• 処置の当日は入浴や飲酒は控えるよう指導する