口臭患者のケアのポイント

目的

• 口臭患者のケアのポイントを把握し、適切なケアを行う

疾患の概要

• 口臭とは、一般的に呼気および口腔からの生理的範囲を超えた異臭のことを指す
• 口臭の分類
  • 本人、第3者共に感じる自覚的かつ他覚的口臭
  • 他覚的口臭
  • 自分しか感じない口臭（口臭症）
• 口臭には人が生理的口臭（食事、空腹、飲酒、月経、妊娠、義歯、喫煙、加齢、元々持っている体臭など）と、病的口臭（全身疾患、上気道や上部消化管、原因不明の疾病など）がある
• 生理的口臭の場合、常在細菌の状態、精神的緊張、唾液分泌の程度、唾液のpHの変動などと関連している
• 一般的に唾液の分泌低下がある場合は、生理的口臭が強くなる

口臭の背景疾患

• 口腔疾患による口臭
  • 歯周病、う歯、細菌、ウイルス、真菌、梅毒、癌その他の悪性腫瘍、その他の感染や服薬、物理的・化学的刺激による口内炎、ウェゲナー肉芽腫症、ベーチェット病、水疱症などによる潰瘍、びらん、外傷などによる口臭、原因不明の潰瘍性病変やアフタ
• 口腔以外の疾患による口臭
  • 副鼻腔炎急性・慢性鼻炎、鼻・副鼻腔の悪性腫瘍、鼻内異物、臭鼻症、進行性鼻壊疸、扁桃陰窩の膿栓、急性・慢性の咽頭炎および扁桃炎、咽頭異物、壊死性扁桃炎、潰瘍、悪性腫瘍、放射線照射、喉頭癌、声門上癌、梅毒、喉頭結核 胃・下咽頭・食道などの癌、胃炎、胃潰瘍、食道炎、胃酸過多症、気管・気管支・肺癌・壊疸性疾患、 糖尿病、肝硬変、重症の腎疾患など
• 原因不明の口臭症（自臭症）は、内因性または心因性疾患であり、重症の場合は精神科受診が必要である

検査

• 検査
  • 嗅覚検査
  • ガスクロマトグラフィ（口臭分析）による検査
  • 口臭探知器による検査
  • 心理的検査など
• 疾患に伴う口臭は耳鼻咽喉科の触診・視診あるいはその他の臨床検査によって診断する

観察項目

• 口臭の有無と強さ、特定の臭いの有無や強さ
• 口臭の原因となり得る既往歴・現病歴の経過

アセスメント

• 既往歴や現病歴から、口臭の原因を推察できるか
• 特定の疾患と口臭の関連性について理解しているか
  • 重度の腎障害：尿臭がある
  • 重度の糖尿病：アセトン臭がある
  • 重度の肝硬変：ネズミ臭がある