腹圧性尿失禁患者の術前ケア

腹圧性尿失禁患者の術前ケア【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2013年7月28日
最終更新日:2018年05月01日
(変更日:2020年5月22日) ※

目的

  • 腹圧性尿失禁患者に適切な術前ケアを行う

概要

問診

  • 切迫性、腹圧性など尿漏れの状況
  • 尿漏れのパターン
  • 1日と夜間の排尿回数
  • パットの種類と使用枚数
  • 内服薬の有無と種類
  • 他院受診歴などについて情報収集を行う

検査

  • 必要に応じて、以下の検査を行う
  • 検尿
    • 定性・沈渣を含めた検査
  • 60分パッドテスト
    • パッドの重さの変化によって尿失禁量を計り、尿失禁の重症度を客観的に評価するための検査
  • 尿流測定(UFM)
    • 客観的に排尿状態を観察し、尿排出機能の評価を行う検査であり、残尿測定も同時に行う
  • 内診ストレステスト
    • 尿が膀胱内に貯留した状態で内診を行い、咳による腹圧負荷をかけることによって尿の流出量を観察すると同時に骨盤臓器脱の有無を確認する
  • 鎖尿道膀胱造影
    • 尿道に金属鎖を入れて造影であり、鎖の留置によって、膀胱頸部の位置、開大具合、尿道の走行を知ることができる
  • 尿流動態検査(UDS)
    • 怒責や咳で尿が漏れたときの膀胱内圧、尿道の閉鎖圧を測定する

医師の診断・治療法の説明

  • 検査終了後、医師が様々な情報から、総合的に確定診断を行う
  • 手術を施行する場合、手術の詳細について説明があるため、患者の精神状態に配慮した関わりを行う

入院前準備・手術経過の説明

  • 外来にて、入院前に必要な術前検査、入院手続き、入院時必要物品などについて説明する
  • クリニカルパスがあれば術前から術後の経過を、クリニカルパスなどに沿って説明する

術前の看護のポイント

  • 現病歴・既往歴の聴取、アレルギーの有無の確認、バイタルサイン測定などを施行する
  • 持参薬の内容確認を行い、抗凝固薬内服の有無や休薬期間なども確認する
  • 手術の流れについて十分な説明を行う
  • 術前処置(除毛、絶飲食の指示、血管確保・輸液開始)を行う
  • 術前に排尿を行い、装飾品や化粧、マニキュアやペディキュアの有無を確認し、着替え(手術着など)をして術前準備をする
  • 術前に前投薬を施行し、ふらつき防止のためベッド上安静を促す
  • 時間になったらストレッチャーで手術室に入室する
本コンテンツの情報は看護師監修のもと、看護師の調査、知見、ページ公開時の情報などに基づき記述されたものですが、正確性や安全性を保証するものでもありません。
実際の治療やケアに際しては、必ず医師などにご確認下さい。
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