PEGからの栄養剤の注入
PEGからの栄養剤の注入【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2013年8月25日
最終更新日:2018年06月30日
(変更日:2013年10月28日) ※
目的
- PEGカテーテルからの栄養剤を注入する際の必要物品、流れ、ケアのポイントについて理解する
- 適切な方法を理解し、安全に栄養剤を注入することができる
必要物品・準備
必要物品
- ディスポーザブル手袋・エプロン・マスク
- 聴診器
- 点滴棒
- 経腸栄養注入セット
- ディスポーザブルガーゼ
- 経腸栄養用シリンジ(20~30ml)
- 薬杯
準備
- 実施者・介助者の装備を整える
- 処置前後での手指衛生を行う
- ディスポーザブル手袋・エプロン・マスクを着用する
※感染予防のため
- 患者の状態を整え、腹部状態の観察を行う
- 吸引している患者の場合、栄養注入開始前に吸引しておく
※栄養注入に伴い分泌物が増加することが考えられ、注入中の吸引は誤嚥を誘発する恐れがある - 体位は頭部を30~60度上げ、ファーラー位とし、膝を軽度屈曲させる
※栄養剤逆流による誤嚥を防ぎ、十二指腸への流れをスムーズにするため - 注入中しばらく同一体位をとるため、安楽な体位がとれるよう努める
- 全身状態や腹部膨満感、腸蠕動音の聴取、排便状況などを事前に確認しておく
- 注入容器に栄養管セットを接続する
- 注入容器のクレンメが閉じている事を確認し、栄養剤を注入容器に入れる
- 使用する栄養剤は、患者の状態により異なる
- プロテインや半固形化栄養剤を混ぜる場合がある
- 食前薬のある患者は、併せて準備する
- 冷蔵保存された栄養剤は室温に戻してから使用する
※温度が低すぎると、下痢を起こす可能性があるため
方法
- PEGカテーテルに栄養管セットを接続する
- 栄養ラインをPEG注入口まで指差し確認しながらたどる
※点滴ラインとの誤接続を防ぐため
- 栄養剤を注入する
- クレンメを緩め、栄養剤の滴下を開始する
- 栄養注入後の数分間は患者の傍で、嘔気・嘔吐、逆流の有無、呼吸状態を観察する
- 注入後も適宜巡回し、滴下調節する
※腹圧や体位により滴下速度が変化するため
- カテーテル内の栄養剤をフラッシュする
- 投与後は栄養剤のクレンメを閉じ、微温湯でカテーテル内の栄養剤を洗い流す(フラッシュ)
※カテーテルの汚染防止、薬剤投与の準備のため
- 注入後の患者の状態、瘻孔の状態を観察する
- 呼吸状態、消化器症状に注意する
- 注入後1時間は、栄養剤の逆流を防ぐために、セミファーラー位とする
- PEG刺入部にティッシュペーパーなどのこよりを巻いている場合、新しいものに交換する
観察項目
- 基礎疾患、安静度やADLの把握
- バイタルサイン(発熱の有無、血圧変動)
- 呼吸状態の変化(分泌物の増加、パルスオキシメーター値の変動)
- 患者の訴え、腹部症状の有無の観察(腹部膨満感、嘔気・嘔吐、腹痛、腸蠕動音の聴取)
- 排便状況の観察
- 瘻孔の状態の観察(栄養剤の漏れや皮膚トラブルはないか)
アセスメント
- 患者の準備、物品の準備が適切に行えたか
- 確実な方法で栄養剤を注入し、事故防止に努めたか
- 栄養剤注入前~終了後まで、患者の状態変化に注意し十分な観察が行えたか
注意点
- 栄養ラインの指差し確認は必ず行う
※栄養剤が静脈内に入るとショック・播種性血管内凝固症候群(DIC)を起こし致命的となるため - 誤接続防止の商品(注入用チューブ・シリンジ)を活用し、事故防止に努める
- 経腸栄養ポンプは注入速度の厳密な管理必要となる患者に使用する
- 難治性下痢、血糖コントロールが必要な患者
- 心負荷を軽減したい患者
- 栄養チューブが閉塞しやすい経腸栄養剤を使用中の患者
- 注入速度の目安
- 持続注入:最初は20ml/時から開始、消化器症状を見ながら20ml/時ずつ増量し最大100ml/時まで
- 間欠注入:1回量400~700ml、最初20ml/時より開始し最大400ml/時として1日3~4回注入する
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