ショック患者のケアのポイント
ショック患者のケアのポイント【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2013年8月16日
最終更新日:2020年09月02日
(変更日:2020年9月4日) ※
目的
観察項目
アセスメント
- ショックとは、急に末梢循環不全が起こった状態であり、末梢の臓器が必要な分の血流量を得られないために機能不全になった状態をいう
日本救急医学会によるショックの診断基準
血圧低下
- 収縮期血圧が90mmHg以下の場合
- 平常時の収縮期血圧が150mmHg以上のときに60mmHg以上の血圧降下が起きている場合
- 平常時の収縮期血圧が110mmHg以下のときに20mmHg以上の血圧降下が起きている場合
小項目
- 微弱性頻拍
- 39.0℃以上の発熱あるいは冷汗と皮膚蒼白(敗血症性ショックの場合)
- 興奮・不穏状態あるいは意識障害(GCS10点以下またはJCS2桁以上)
- 心拍数100回/分以上
- 無尿または乏尿(0.5mL/kg/時間以下)
- 爪床の毛細血管のrefilling遅延(圧迫解除後2分以上)
血圧低下に加え、小項目に3項目以上の該当がある場合をショック状態と診断する
ショックの種類と発生機序
循環血液量減少性ショック
- 原因:熱傷、脱水、大量出血など
- 発生機序:循環血液量が減少することによりショックを起こす
心原性ショック
- 原因:急性心筋梗塞、心筋炎、心臓弁膜症、不整脈、心筋症、心タンポナーデなど
- 発生機序:心疾患に伴い、心拍出量が減少することによりショックを起こす
敗血症性ショック
- 原因:敗血症
- 発生機序:敗血症に伴って細菌の毒素による血管拡張が起こり、ショック状態となる
- 高心拍出量状態:
ショックの初期の状態であり、静脈・動脈の拡張が見られ、皮膚は温かく心拍出量の増加も見られる - 低心拍出量状態:
敗血症性ショックが進むことによって、次第に心拍出量の減少が見られ、末梢血管の収縮が見られる
アナフィラキシーショック
- 原因:薬剤、昆虫毒など
- 発生機序:I型アレルギーに伴い、血管透過性亢進、血管拡張が起こることにより、ショックを起こす
神経原性ショック
- 原因:麻酔、脊髄損傷、激痛、脳死など
- 発生機序:自律神経反射異常に伴って血管拡張が起こり、ショック状態になる
看護のポイント
- ショックを起こしている患者を診る場合、その原因となる背景疾患や既往歴の有無を確認するが、本人への聴取は難しいため、家人などからも併せて聴取する
- アナフィラキシーショックの場合、食物や薬剤、昆虫毒やヘビ毒など、アレルギーの既往やアレルゲンに接触する機会の有無も併せて確認する
- 敗血症性ショックの場合、そのまま多臓器不全へと移行する場合も多いため、十分かつ適切な観察が重要となる
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実際の治療やケアに際しては、必ず医師などにご確認下さい。
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