耳鼻咽喉科手術の介助のポイント

目的

• 耳鼻咽喉科の概要を理解し、手術の準備・介助を行うことができる

概要

• 耳鼻咽喉科手術の範囲は、咽頭・喉頭・鼻などである
• 麻酔方法は、主に局所麻酔か、全身麻酔である
• 術式によっては、術後にICUなどへ帰室する場合がある

手術部位と主な術式

咽頭

口蓋扁桃切除術

• 適応 習慣性扁桃炎・扁桃病巣感染症・扁桃肥大
• 手術の概要
  • 被膜に沿って口蓋扁桃を剥離し摘出するが、通常摘出部の縫合は行わずに止血する

鼻

鼻内内視鏡手術

• 適応：慢性副鼻腔炎・上顎洞真菌症・副鼻腔腫瘍
• 手術の概要
  • 内視鏡を前鼻孔から挿入し、閉鎖した副鼻腔を開放する
  • 鼻中隔湾曲症がある場合は、これらの矯正を行うこともある
  • 術後は止血のために鼻用ガーゼやスポンジ様止血材などを挿入するため、枚数や個数をカウントし、間接介助看護師へ伝える

喉頭

喉頭全摘術

• 適応：喉頭癌・高度嚥下障害
• 手術の概要
  • 甲状軟骨や舌骨ごと喉頭を全部摘出する
  • 術後声帯による発声は不可能になる

喉頭微細術

• 適応：喉頭肉芽腫・声帯ポリープ・喉頭癌など
• 手術の概要
  • 声帯病変を経口的に観察し除去する

手術介助のポイント

直接介助（器械出し）のポイント

• 器械は、喉頭用（口腔）セット、鼻用セット、耳用セットなどなどがある
• 挿管チューブの近くを操作することがあるため、カフに注意する
• 術後にドレーン挿入を行う場合は、予め準備しておく
• 針・器械・ドレーンの切れ端などの体内異物遺残の予防が重要となる

間接介助（外回り）のポイント

• 術式に合わせた麻酔の準備、体位固定の準備を行う
• 手術の流れを理解し、術中に必要となる器械や医療材料を、清潔野へ追加する
• 予め患者情報を収集し、考えられるトラブルに対する用意をしておく
• 手術中は、出血量のカウントを行い、患者のバイタルサインの変化に留意する
• 手術中に器械出し看護師と協力し、ガーゼカウント、針カウント、器械カウントなどを行う
• 術後の申し送りなどに必要な情報は術中にまとめておく