目的
- SpO2とSaO2、PaO2との関連性、正常値、異常値について理解する
SpO2とは何か
- 酸素飽和度は、SpO2あるいはSaO2で示される
- SpO2: Percutaneousoxygen saturation =経皮的酸素飽和度
- SpO2は、経皮的パルスオキシメーターで、非侵襲的・簡易的に測定することができる
- パルスオキシメーターは、センサーからの光により、血液中のヘモグロビンと酸素がどれだけ結合しているかを測定し、数値化する
- SpO2の正常値は92%以上であり、この状態であれば体内に安定して酸素が循環している
SaO2とSpO2の関係
- SaO2: Arterial oxygen saturation =動脈血酸素飽和度であり、動脈血中のヘモグロビンの何%が、酸素と結合しているかを示している
- SaO2を測定する時は、動脈血採血を行う必要がある
SaO2とPaO2の関係
- PaO2とは、動脈血酸素分圧のことで、動脈血の中に含まれる酸素の割合を示す
- 血液ガス分析を行うことで、その値が得られる
- PaO2基準値は80~100Torr
SaO2とPaO2の関連性
- PaO2からSaO2がわかる
- PaO2の数値とSaO2の数値は、おおよその目安がある
SaO2(%) | 97 | 96 | 95 | 94 | 93 | 92 | 91 | 90 | 89 | 87 | 85 |
PaO2(Torr) | 91 | 82 | 76 | 71 | 67 | 64 | 61 | 59 | 57 | 53 | 50 |
- これらの数値を図式化したものを、酸素解離曲線とよぶ
PaO2 60orr 以下に注意
- PaO2が60Torr(SaO2 90%)より低くなると、SaO2の値は大きく低下する
- SaO2が低下している状態は、全身の酸素運搬量の低下を示す
- PaO2が60Torr以上の場合は、曲線はゆるやかにカーブする
- PaO2が低下してもSaO2は大きく変化しない
SpO2測定時の注意点
SpO2 100%の時の注意点
- SpO2は100%までしか測定できないが、PaO2は100Torr以上でも測定可能
- 高濃度の酸素投与により、SpO2は100%から変わらないが、実際はPaO2が400Torr以上となっていることもある
- 呼吸状態が悪化し、PaO2が400Torr から 200Torrまで下がっても、SpO2の値は100%を示したままとなる
- PaO2が半分程度まで下がり、呼吸状態が悪化していても、SpO2は100%から変わらないため、その変化に気付くのが遅れる
SpO2 80%以下の場合は正しく測定できているか確認する
- SpO2が正しく測定できない場合
- 体動があるとき
- 血管収縮薬、ショック状態の時
- 浮腫、冷感があるとき
数値が拾えない(測定できない)とき
- 手足が冷たい場合は測定出来ない時があるため、温タオルなどで温めて再度測定する
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