夏と言えば怖い話ですが、病院でも冷や汗が出るような、おばけよりも怖いエピソードがたくさんあります。
今回は、夏にピッタリ(?)の身の毛もよだつ看護師のアクシデント(実話)をご紹介します。
病院であった4つの怖いアクシデント(実話)
その1. 血を浴びた看護師
高度貧血で輸血をすることになった患者さんに、ナースA(ナース歴1年)が輸血の準備をしていた。
しばらくすると、その病室からナースAの叫び声が響いた。
急いで他のスタッフが病室へ駆けつけると、そこには頭から大量の血を浴び、顔面蒼白になって立ち尽くすナースAの姿が…
病室の床は血だまりになり、病棟中が大パニックになった!
後からナースAに事情を聞くと、
「輸血バッグに点滴ラインを接続するときに、誤ってバッグを点滴架台に吊るしたまま接続してしまった」とのこと。(正しくは、バッグを水平な机などに置いた状態で接続しなければならない)
幸い患者さんに影響はなく、輸血は新たに請求し直した。
とはいえ、輸血は市民の善意からなるもの。ミスで無駄にするようなことは絶対あってはいけない。
その2. 気管内チューブ切断事件
経口挿管し人工呼吸器管理中の患者さんに、ナースB(ナース歴3年)がいつものように口腔ケアを行っていた。
歯磨きをし、髭剃りをし、挿管チューブの固定テープをきれいに巻き直し…完璧♪
ナースBは、満足しながらテープの巻き終わりをハサミでチョッキン!!
『…ん?何かを一緒に切ったような…』
不安になるナースB。おそるおそる調べてみると、
なんと挿管チューブのカフ用パイロットチューブを一緒に切ってしまっていたのだった!
カフから固定用空気が漏れ、鳴りまくる人工呼吸器のアラーム…
すぐにドクターコールし、新しいチューブで再挿管したため事なきを得たが、一歩間違えれば大惨事になるところであった。
その3. 真夜中のイリュージョン
認知症状や不穏状態のため、患者さんの生命の安全が守れない場合には、やむを得ず身体抑制(体の一部を固定したり、ベッド柵などを設置して身体の自由を制限すること)をする場合がある。
ある夜、手術後でドレーンやカテーテルが多数入った患者さんが不穏になった。
大切なカテーテル類を自己抜去する可能性が高かったため、ナースCはやむを得ず、患者さんの両手に抑制グローブ、つなぎ型抑制病衣、体幹抑制ベルトなどを装着。
しかし、どういうわけか、ラウンドに行くたびに抑制グローブが外れている。
グローブは手首に鍵がかけられる作りになっており、自力では通常外せない。
点検しても鍵は壊れていないし、無理にこじ開けた形跡もない。
ナースCは不思議に思いながらも、グローブを少しきつめに装着し直した。
そして1時間後。事件は起こった…
ラウンドに回ったナースCが行くと、そこにはすべての抑制グッズから体をすり抜け、さらに抑制病衣を脱いで全裸になっている患者さんの姿が!
幸いドレーンやカテーテルは無事だったが、まさに真夜中のイリュージョンを思わせる患者さんのスゴ技に、ナースCは腰が抜けるほど驚いた。
その4. 飲んではいけないイチゴジュース
重症肺炎で禁食中の患者さん。
ナースDがラウンドに行くと、ピンク色のジュースをおいしそうに飲んでいるところを発見!
慌ててジュースを取り上げると、さらにビックリ!!
なんとそれはジュースではなく、吸引チューブ用の消毒液を希釈したものだった。
「イチゴジュースかと思ったの」と患者さんはケロリ。すぐにドクターコールし、幸い患者さんに大きな影響はなかった。
吸引が頻回に必要な患者さんだったので、ベッドサイドに消毒薬のボトルを置いたままにしてしまっていたのだ。消毒薬は薄いピンク色で、確かに見た目はちょっとおいしそう。
これをきっかけに消毒薬をベッドサイドに置くことを廃止し、吸引チューブは一回使い捨てとなった。(現在では使い捨てが当たり前)
おわりに
いかがでしたか?病院の中には、まさに体が凍りつくようなアクシデントがたくさん潜んでいます。
まだまだ暑い日が続きそうですが、安全に十分注意して乗り切ってくださいね!
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