用語解説
用語の読み
うぉーきんぐかんふぁれんす
用語の意味
ウォーキングカンファレンスとは、通常ナースステーションで行う看護業務の引継ぎを、患者のベッドサイドで行うことであり、単にナース同士のみの引継ぎではなく、患者やその家族が参加することができるカンファレンスです。
ウォーキングカンファレンスを行う背景は、
- 医療スタッフ間および医療スタッフと患者間で情報の伝達が正確に行われていないことが、医療事故の7割以上の原因である
- 患者を医療に参加させることで、医療事故の減少および医療の質の向上につながる
というエビデンスが増えてきたことにあります。
実際のウォーキングカンファレンスは以下のような手順で行われます。
- 患者にベッドサイドでの引継ぎを行っても良いかを確認をする
- 自己紹介をする
- 申し送りをする
- 輸液ラインや人工呼吸器・傷口などの確認をするとともに、転倒などの危険がないかチェックする
- 患者や家族と対話をする
ウォーキングカンファレンスを行うメリットには、以下のようなものがあります。
- 患者やその家族の希望を聞きながら患者参加型看護を行うことができる
- ベッドサイドでカンファレンスを行うことで、患者の状態を見ながら話ができるため、患者の状態の理解度が上がる
- 自己紹介をしながらカンファレンスを行うことで、患者の安心感につながる
- 新人ナースのベッドサイドでのOJTを行うことができ、スタッフ間での相互研鑽が可能になる
- 患者やその家族とともに安全確認を行うことができ、患者の安心感や満足感が高まる
- ケアの優先順位がつけやすくなるため、超過勤務の減少につながる
大部屋で行う場合は、他の患者に個人情報が漏れてしまうというデメリットはありますが、患者にとっても、看護師にとっても、メリットの大きい申し送り方法と言えるでしょう。