用語解説
用語の読み
ふにんちりょう
用語の意味
日本では、不妊症とは「避妊をしない状態で夫婦で性交渉を持っていても妊娠しない状態が2年続くこと」と定義づけられています。海外では1年経っても妊娠しない時に不妊症とされますが、その理由は不妊治療を受けない時、1年以内に妊娠する確率が80%、2年以内では90%であることに対して、3年経って自然妊娠する確率がかなり低くなるからです。
今では不妊症で悩むカップルは10組に1組と言われているほどで、「どうして自分たちのところには赤ちゃんが来てくれないのか」「周囲の期待に応えることが出来なくて辛い」「年齢的にも、あきらめるしかないのか」…などという悩みを持つ人が後を絶ちません。このようなカップルが妊娠を希望した場合、不妊症の原因を特定するとともにそれぞれの患者に適切な不妊治療が施されます。
不妊症の原因の内訳は、男性側に30%、女性側に45%、その他男女ともに何らかの原因を持ち合わせている場合や相性の問題、原因不明というものが25%です。そのため不妊症検査や治療はカップルで一緒に受けることが必要となります。不妊症の原因の代表として「夫婦生活が上手く行かない」「膣炎」「子宮頸管の異常」「卵管の異常」「子宮の異常」「子宮内膜症」「排卵異常」「抗精子抗体」「精子が正常に作られない」「精子が作られていても射精に至らない」などを挙げることが出来ます。これらの原因は産婦人科で受ける様々な検査(問診、基礎体温表、子宮卵管造影、フーナーテスト、ホルモン・感染症検査、MRI、精液・性器検査など)によって特定されます。もちろんこれらの原因に当てはまらないにも関わらず妊娠が成立しない場合もあり、そのような時でも体外受精などの不妊治療の適応となります。
不妊症の原因が確定すると、それぞれの原因に応じて治療法が決定します。代表的な治療法として「タイミング指導(基礎体温や子宮粘液の状態、尿中のホルモン量などから排卵日を予測し、その時をねらって性交渉をもつようにすること)」「人工授精(元気な精子だけを洗い出して、子宮内に注入する方法)」「排卵誘発剤使用」「体外受精(取り出した精子と卵子を受精させ、受精卵を子宮に戻す)」などがありますが、女性側・男性側の生殖器やホルモンに異常を認める場合、まずはじめにその部分に直接働きかける治療を行うこととなります。
不妊症の問題は人に相談しにくいばかりか、カップルの間でも話題にするのをためらう人が多いこともあり、どうしても受診が遅れてしまいがちです。また日本人夫婦は諸外国と比べてセックスレスに陥る傾向が強く、性欲・生殖能力が下降傾向になってから結婚するカップルが多いこととなどと絡み合って不妊症を引き起こしていると考えることもできます。
看護師・椿(つばき)の一言コメント
最近は不妊治療をしている人ホント多くなりましたね。
私の看護師仲間にも何人もいる(看護師は不規則な仕事だから多いのかな??)
不妊治療は一般不妊治療と言ってタイミング法・ホルモン療法・人工受精と特定不妊治療の体外受精・顕微授精があります。
一般不妊治療は2年以内で、半分の人が妊娠すると言われている(確率高い!!)
一方…体外受精の妊娠率は26%程度と言われている(少ない…)
厚生労働省では特定治療支援事業と言うものがあるようです。
これは、妊娠の見込みがない又は極めて少ないと指定医療機関のドクターに診断された夫婦に対して、助成金が支給される制度です。
体外受精や顕微授精は医療保険が適用されないから高額な費用が掛りますからね。
でもこの助成金でもまだまだ足りないというのが不妊治療をしている人の本音でしょう。