目的
- 心機能および循環血液量などを評価する
- 中心静脈圧とは胸腔内の大動脈系の圧のこと
必要物品・準備
ここではマノメータを使用した測定について述べる。
- マノメータ
- 滅菌生理食塩水
- 水平器
方法
- 中心静脈カテーテルにマノメータを接続する
- 中心静脈栄養(TPN)施行中の場合、ダブルルーメンカテーテルが挿入されているはずである
- 中心静脈圧測定を行う時は一時的に回路を大気に開放することになるため、TPNを行っていない側のカテーテルを使用する
- 患者さんの体位を水平仰臥位とする
- 仰臥位が取れない場合は、測定時のベッド拳上角度を毎回同一にする
- 基準となる右心房の高さ(一般的には第4間の位置)を決定しマーキングする(ここがゼロ点の基準になる)
- 水準器を使用してマーキングとマノメータのゼロ点を合わせる
- マノメータ側の輸液セットには生理食塩水を接続しておき(クランプは閉鎖)、マノメータ側の三方活栓と接続する
- マノメータ内に予測される中心静脈圧よりやや高い目盛まで生理食塩水を満たす
- 三方活栓を開き、生理食塩水を患者側ルートへ流す
- この時に呼気性移動(生理食塩水の液面が、呼気時に上昇、吸気時に下降する)を確認する
- 水面が安定した状態で、呼気終末時の値を読む
- 測定が終了したら、患者さんに説明し、希望の体位へ戻す
観察項目
- ある程度呼吸が安定しているか
- 呼吸音を聴診し、音の異常、左右差などを観察する
- 中心静脈圧の基準値内にあるか
アセスメント
- 前回の測定結果との経時的な変化を観察する
- バイタルサイン、水分出納バランスなどと併せてアセスメントする
中心静脈圧に影響を及ぼす因子
- 値が高い場合:循環血液量の増加=心機能低下、肺水腫など
- 値が低い場合:循環血液量の低下=脱水、出血など
注意点
- 中心静脈圧は胸腔内圧に影響されるため、人工呼吸器を装着していると正しく測定できないこともある
- 特に呼気終末陽圧(PEEP)に設定されている場合は正確な値が測定できないため、測定時のみ一時的に用手的呼吸に切り替えることもある