中心静脈カテーテル挿入介助

中心静脈カテーテル挿入介助【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2012年9月24日
最終更新日:2018年11月25日
(変更日:2020年5月22日) ※

目的

  • 安全・安楽に確実に高力ロリー輸液用カテーテルの留置がおこなえる

必要物品・準備

中心静脈カテーテル挿入時

  • 減菌手袋
  • 穴あき減菌布(大)
  • ガーゼ
  • 局所麻酔薬
  • ポビドンヨード液などの消毒液
  • 10mL注射器
  • 注射針18G、22~ 23G、カテラン針22~ 23G
  • 中心静脈カテーテルセット(成人用14~ 18G、内頸静脈、外頸静脈、鎖骨下静脈穿刺の場合20~ 30cm、大腿静脈穿刺の場合60~ 70cm)
  • 20mL生理食塩液
  • 50mL生理食塩液点滴
  • フィルタ付き一体型輸液セット
  • 縫合糸、縫合針
  • 切開縫合セット
  • 粘着透明フィルム
  • 粘着性伸縮絆創膏
  • 体位固定用の肩枕やバスタオルなど
  • 中心静脈(CV)カテーテル挿入及び留置承諾書

方法

  1. 必要物品を準備する
  2. フルネームで患者確認を行う
  3. ベッドフレームをはずし、ベッドの高さを調節する
  4. 肩枕やバスタオルなどを使って胸を広げ、患者の下に処置用シーツを引く
    ※主な穿刺部位は内頸静脈、鎖骨下静脈、尺側皮静脈、大腿静脈

    ※鎖骨下静脈穿刺、内頸静脈穿刺の場合、左鎖骨下静脈の静脈角には胸管が通っており穿刺により損傷する危険性があるため右側からのアプローチとなる事が多い

    ※左鎖骨下静脈の静脈角の部分に胸管が通っているため穿刺により損傷する危険性がある
  5. 施行する医師はマスク、滅菌ガウン、滅菌手袋を着用する
    ※穿刺部位に体毛の多い患者は、電動剃刀で除毛し、皮膚の汚染がある場合はアルコールなどで脱脂しておく
  6. 医師が消毒刺入部分の皮膚の局所麻酔を行い、中心静脈カテーテルの外を鎖骨下静脈まで挿入する
    ※呼吸困難、咳嗽、動悸の出現に注意する

    ※内針を抜去するタイミングで患者に息を止めてもらう

    ※カテーテルを2~ 3 cm挿入したら呼吸を再開してよいことを伝える

    ※患者の顔を楽な方向へ戻す
  7. 生理食塩液をフィルタ付き一体型輸液セットに接続する
  8. 医師がカテーテルを皮膚に1~ 2針固定する
    ※消毒薬が十分に乾燥したら、ドレッシング材を貼付する
  9. 胸部X線撮影でカテーテルの先端が上大静脈(第2肋間あたり)にあることを確認する
  10. 高カロリー輸液を開始したら1時間毎に輸液速度を調整し、水分バランスを観察する

観察項目

  • 胸痛、背部痛
  • 咳嗽、呼吸困難
  • 穿刺側の呼吸音減弱~消失
  • 穿刺部位からの出血
  • 動脈血の逆流
  • 動悸や結滞の触知
  • 呼吸困難
  • 皮膚の発赤・腫脹
  • 発熱
  • 不整脈が起きた場合は一時的なことが多いため様子観察となることもある

アセスメント

  • 挿入により起こりやすい合併症は気胸と出血であるが、その兆候を確認したか
  • 呼吸困難、咳嗽の出現、酸素飽和度の測定などから、穿刺時やカテーテル挿人時に起こりやすい気胸の可能性を考える
  • 事前に呼吸音を聴取することで、挿入により起こりやすい気胸の症状(呼吸音減弱)を確認したか
  • 輸液速度の調整、水分バランスは適切か
  • カテーテル刺入部の皮膚の発赤・腫脹や発熱などがある場合、カテーテル挿入部位の感染の可能性がある

注意点

  • 医師による目的、必要性、方法、起こりうる合併症についての説明の際には同席し、カテーテルの挿入および留置承諾書を得る
  • カテーテル挿人中に動くと危険であること、医師の声掛けに合わせ息を止めたり 顔の向きを変えたりするなど、挿入時の手順、概要を説明する
  • 穿刺予定の鎖骨周囲を伸展させることにより、血管を緊張させ穿刺しやすくなる ※頭を腰や下肢より低くした姿勢にすることにより上半身の静脈を怒張させ空気塞栓を予防することができる
  • カテーテルの位置異常は、内頸静脈への誤入が多く、高濃度の輸液を投与すると静脈炎などを起こす恐れがある
  • フィルタ付き一体型輸液セットを使用する場合、週1~ 2回輸液ラインを交換する
  • 高カロリー輸液が急激な速度で投与されると、血漿浸透圧が上昇して浸透圧利尿が起こるため注意が必要である ※糖代謝だけでなく、水分バランスの失調も起こる
  • 気胸が起きた場合、必要時酸素吸入胸腔ドレーン挿入の対応となる
  • 血胸・皮下血腫が起きた場合、医師による圧迫止血対応となる
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