MRI検査を受ける患者へのケア
MRI検査を受ける患者へのケア【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2013年5月25日
最終更新日:2013年5月25日
(変更日:2013年10月23日) ※
目的
MRI検査の特徴
メリット
- 放射線暴露がない
- CTよりも脳梗塞・脳炎などの病変を抽出する機能が優れている
- 造影剤を使用せずに、血管などの情報が得られる
デメリット
- 撮影に時間がかかる(最大60分程度)
- ペースメーカー挿入中の患者は、撮影が不可の場合がある
- 場所が狭くて暗いため、閉所恐怖症がある患者は検査ができない場合がある
- 状況に応じて鎮静が必要な場合がある
検査前
造影剤を使用する場合
- 事前に医師の指示を確認し、食事時間の調整を行う
- 基本的に、検査6時間前は絶食(水分摂取は可能)
- 造影剤を使用する際は、事前にアレルギーの有無を確認しておく
ケアの手順
- 検査室に行くまでの移送方法を選ぶ
- 検査を行う目的を患者に説明し、事前に排泄を済ませてもらう
- 検査室への移動後、患者誤認防止のためリストバンド等で照合を行い、名前や生年月日を口頭で言ってもらう
- 磁場のある場所に入って検査を行うため、ペースメーカーや人工内耳などの体内金属の有無を十分に確認する
- 金属類(眼鏡、ヘアピン、ピアス、補聴器、義歯など)は事前に外してもらう
- 必要時、MRI室に対応している専用のストレッチャーや車椅子あるいは、点滴棒を使用して入室する
- 寒さを感じる場合もあるため、室内の温度に配慮する
- 検査台に移動する際、ドレーンやルート類の誤抜去が起こらないようにまとめる
- 車椅子から検査台に移動する場合は、転倒予防のため、必要に応じて介助する
- 検査台に上がったら仰向けになってもらう
※頭部から頸部にかけて真っ直ぐになるように注意し、頭部の固定を行う - 心電図モニターなどを装着している場合は、異常の早期発見ができる場所に配置する
水頭症で可変式のバルブを使用している場合、シャントバルブ圧の設定が変化することがあるため、場合によっては検査の前後に設定圧の確認・調整を行う必要がある
アクティーバルブ使用の際に、ボールバルブが動く場合があるため、検査前に三方活栓を閉じ、一時的にドレナージを中止した状態で撮影を行う
検査中
- 副作用出現の場合は造影剤投与を中止し、すぐに意識状態、バイタルサインの確認をし、医師へ報告する
- 特に、アナフィラキシー症状が出現した場合は重篤化する恐れがあるため、事前に急変対応の準備をしておく
検査後
- 急激に立ち上がると起立性低血圧が起こる危険性があるため、一度、座位をとる
- めまいなどの症状出現がないことを確認してから検査台を降りてもらう
- 副作用の出現を軽減させるため、検査後に水分を十分に摂るよう説明する
- 穿刺している部位が確実に止血されているか確認する
- 検査が終了した後に倦怠感、浮腫、湿疹、掻痒感などの症状が出た場合は、速やかに報告するよう説明する
脳室もしくは脳槽ドレーンを挿入している場合は、ドレーン回路の確認や0点調整を必ず施行する
抗凝固薬を内服している患者の場合特に注意をする
注意事項
- 患者が急変した場合、すぐに対応できるよう、医療者も事前に身に付けている金属類を外しておく
- 検査中は狭い所で一人になること、周囲から大きな音がすることを伝える
- 気分不快が出現し、中止を希望する場合は合図を事前に決めておく
- ナースコールがある場合、必要時に押すよう説明する
- 安静保持が不可能な場合は、状況によって転落防止用ベルトで体動制限をしたり、薬物などで鎮静を行うこともある
- 検査中は外で待機しながら、患者の状態を観察する
- 薬物のよる副作用防止のため、アレルギーだけではなく、喘息や腎疾患の既往の有無も確認する
造影剤による副作用の中でも、アナフイラキシーは特に重篤化し、生命の危険もあるため、患者の訴え、バイタルサインの変化などを常に観察し、すみやかに急変対応ができるよう準備しておく
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