耳漏患者のケアのポイント
耳漏患者のケアのポイント【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2013年5月28日
最終更新日:2013年5月28日
(変更日:2021年7月9日) ※
疾患の概要
観察項目
- 発症が急性か慢性か
- 合併症の有無
- 外傷(側頭骨骨折など)の既往
- 耳漏の部位
- 色、性状
- 疼痛、掻痒感、臭い、難聴の有無と程度
アセスメント
性状
- 血性の場合は慢性中耳炎、外傷、癌などが疑われる
- 漿液性の場合、急性中耳炎、外耳道湿疹などが疑われる
- 粘液性の場合は慢性中耳炎などが疑われる
- 膿性の場合、急・慢性中耳炎、外耳道真菌症などが疑われる
耳漏の部位
- 外耳道の場合:外耳・鼓膜炎、湿疹、外耳道真菌症、癌などが考えられる
- 中耳の場合:急・慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎、癌などが考えられる
臭い
- グラム陰性拝菌感染症の場合、強い悪臭を伴う
- 癌性病変の場合でも臭いを伴うことがある
細菌検査
- 急性中耳炎:黄色ブドウ球菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌
- 慢性中耳炎:黄色ブドウ球菌、緑膿菌、真菌
- 外耳道炎:黄色ブドウ球菌、緑膿菌、真菌
- 合併症として頑固な耳痛、顔面神経麻痺、急激な感音難聴などが出現する場合は結核性中耳炎の可能性があるため検索が必要である
- 中耳炎における細菌検査で見られる黄色ブドウ球菌の約25%はMRSAである
合併症
- 耳痛:外・中耳炎、外傷
- 掻痒感:外耳道湿疹・真菌症
- 難聴:中耳炎、外傷、耳垢
注意点
- 糖尿病患者の場合、悪性外耳道炎に注意が必要である
- 持続する耳の痛みや血性耳漏の場合は外耳道・中耳癌の疑いがあり、細胞診などの検査が場合によっては必要である
本コンテンツの情報は看護師監修のもと、看護師の調査、知見、ページ公開時の情報などに基づき記述されたものですが、正確性や安全性を保証するものでもありません。
実際の治療やケアに際しては、必ず医師などにご確認下さい。
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