摘便
摘便【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2013年7月26日
最終更新日:2020年07月30日
(変更日:2020年8月4日) ※
目的
- 摘便を行う際の必要物品やケアのポイントについて理解し、適切なケアが行える
摘便とは
- 便が長時間排泄されず腸内にとどまっていると、便が硬くなり宿便となり、排便時に痛みが生じるが、直腸内に停滞する便を排出するため、直腸内に手指を挿入し便を摘出する行為を摘便という
必要物品・準備
必要物品
- 潤滑剤(オリーブ油やワセリン)
- ディスポーザブル手袋
- ディスポーザブルガウン(エプロン)
- 処置用シーツ
- バスタオル
- ビニール袋
- 必要に応じて紙オムツ、便器、陰部洗浄物品
準備
- 患者に摘便の目的と方法・注意点について説明し、同意を得る
痔核のある患者、出血傾向のある患者、肛門や直腸に病変のある患者は、処置の際に出血を引き起こすリスクが高いため、避ける
- 患者とその周囲の環境を整える患者とその周囲の環境を整える
- カーテンを閉め、バスタオルなどを使用し不必要な肌の露出を避け、患者の羞恥心に配慮する
- ベッド周囲の汚染を防止するため、臀部の下には処置用シーツを敷き、必要に応じて紙オムツや便器を当てる
- 援助前後で比較できるよう、バイタルサインの測定を行う
- 援助時に強い力で便を摘出するので、肛門内を傷つけないように、また手袋の破損防止のため、看護師の爪が伸びていないか確認する
方法
- 手指を適切に挿入する
- ディスポーザブル手袋を着用し、第2指に十分に潤滑剤を塗布する
- 患者に声掛けしながら静かに肛門に挿入する
※感染症のある患者の場合、手袋を2重にし感染を予防する - 患者にはゆっくり口呼吸してもらい、力を入れないように説明する
口呼吸することで、腹壁の緊張が取れ肛門括約筋の緊張を緩める効果がある
- 便塊を摘出する
- 第2指で直腸内に停滞している便の状態を確認する
- 直腸壁に沿いゆっくりと第2指を回しながら直腸壁に付着する便をはがす
硬便を一度に取り出すと疼痛があるため、肛門部に近い便塊から徐々に指でほぐすように掻き出し、腸粘膜や肛門を傷つけないよう注意する
- 硬便が出た後は、自然に普通便が排泄する場合もあるため、様子を観察しながら進める
援助の途中で腸の走行に沿い腹部マッサージをしたり、患者に腹圧をかけるように声掛けしながら行うと、便が直腸に下りてくるため有効である
ケアを行っている最中も患者の訴えや状態の変化に注意し、便の量・性状、痛みの程度、出血の有無を確認し、痛みが強くなる・出血が認められた場合は中止する
- 摘便後の患者の状態の観察をし、片づけ・環境整備を行う
- 残便感のある場合、しばらく様子観察し自然排便を待つ
※場合によっては浣腸や坐薬の使用を検討する - 排泄後は肛門周囲を清潔にし、必要に応じて陰部洗浄を行う
- 環境整備し換気を行う
観察項目
- バイタルサインの変動、普段の排便状況
- 患者の最終排便日とその排便状況、排ガスや腹部膨満の有無、腸蠕動音の聴取状況
- 援助後の患者の状態と排便の観察(バイタルサインの変化、肛門痛や出血の有無、顔色や冷汗の有無、腹部膨満感や残便感、腸蠕動音の確認、排便の量と性状)
アセスメント
- 摘便は患者の苦痛が強いため、患者の状態をアセスメントし、摘便が適切であるかを検討したか(内服薬投与、食事指導、腹部マッサージなど)
- 摘便は患者にとって不快感や苦痛が強いため、それらを最小限に留めるよう努め、プライバシーに配慮し、安全・安楽な方法で行えていたか
注意点
- 痔核のある患者、出血傾向のある患者、肛門や直腸に病変のある患者は、処置の際に出血を引き起こすリスクが高いため、患者の状態を把握し避ける必要がある
本コンテンツの情報は看護師監修のもと、看護師の調査、知見、ページ公開時の情報などに基づき記述されたものですが、正確性や安全性を保証するものでもありません。
実際の治療やケアに際しては、必ず医師などにご確認下さい。
新型コロナウィルス感染症(COVID-19)に関しては本記載内容とは対応が異なりますので、必ず各病院ごとに作成されている感染症ガイドラインに従ってください。
本コンテンツの情報により発生したトラブル、損害、不測の事態などについて、当社は一切の責任を負いかねますので、予めご了承いただきますようお願いいたします。
※コンテンツの日付け表記ついて「公開日…ページを公開した日」、「最終更新日…情報を更新した日」、「変更日…システムやデザインの変更を行った日」をそれぞれ指します。
「いまさら聞けない看護技術」の最新情報をチェックしよう
当サイトは、「あした仕事で使う知識を学べる」ナース専用のハウツーサイトです。
Facebook または Twitter で最新情報をチェックして、職場の同僚と差をつけよう!
Follow us!
ナース転職サイト おすすめ 3サイト
転職しようかな…と考えている看護師の方には、以下の転職支援サービスの利用がおすすめです。
-
看護roo!(カンゴルー)
● 累計利用者数50万人以上
● 求人数トップクラス
● 東証プライム市場上場企業
● 資格が活かせる病院以外の求人も豊富
公式サイト 口コミ・詳細 -
レバウェル看護(旧:看護のお仕事)
● 求人数トップクラス
● 累計利用者数は40万人突破!
● 病院求人多数
● がっつり働きたい人におすすめ
公式サイト 口コミ・詳細 -
マイナビ看護師
● CM多数!大手転職支援サービス
● 全国各地の求人をカバー
● ブランク・未経験OK求人が多い
公式サイト 口コミ・詳細
もっと詳しく知りたい方は、「ナースの転職サイト比較ランキング」をご覧になり、自分にあった転職サイトを探してみてください!
ナースハッピーライフを通じて転職支援サービスに登録いただくと、売上の一部がナースハッピーライフに還元されることがあり、看護技術の記事作成や運営費に充当することができます。応援お願いいたします。