血管内治療の基礎知識
血管内治療の基礎知識【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2013年8月4日
最終更新日:2018年06月12日
(変更日:2013年10月28日) ※
目的
治療の概要
- 血管内治療では種々の病変に対して、血管造影の手技を応用し、治療を行う
- 最大のメリットは、外科的な手術と比較した際、身体の侵襲が少ないことである
血管内治療の種類
血栓溶解療法
- 血栓により、血管閉塞が生じた場合、目的部位にカテーテルを進めて血栓溶解剤を注入し、再開通させる
血管形成術(PTA)
- 血管の中に入れたカテーテルを操作し、動脈硬化などで狭窄が起こっている血管をバルーンによって拡張させ、必要に応じ、ステント(金属製の筒)を留置する
動脈塞栓術(TAE)
- がん組織の栄養血管や動脈瘤を特殊なゼラチン状物質、プラチナ製のコイルや油などを用いて塞栓する
看護のポイント
検査前
- 絶食が原則であるため、説明を行う
- 検査前に排尿・排便を済ませてもらう
- 術衣に更衣してもらい、時計・眼鏡・指輪・義歯・コンタクトレンズなどを事前に外してもらい、マニキュアや化粧も落としてもらう
- 静脈に血管を確保し、指示された輸液を開始する
- 前投薬がある場合は、入室直前に施行する
- 鼠径部が穿刺部位の場合は事前に除毛を行い、前張りを付ける
尿留置カテーテルの指示がある場合、除毛後に挿入する
- 両側の足背動脈の触知確認を行い、マジックペンなどで印を付ける
- 必要物品の確認を行う(承諾書、カルテ、持参薬、IDカード、チェックリストなど)
検査後
安静時間
- 大腿動脈を穿刺した場合、検査後約4~6時間はベッド上安静とし、その後の安静度については医師の指示に従う
- 腕から穿刺した場合、約1時間のベッド上安静とし、その後歩行は可能である
苦痛の緩和
- 大腿動脈を穿刺した場合、ベッド上安静時間が長いため、安楽物品の使用や、体位変換の介助を行う
輸液管理
- 身体の中から造影剤を速く排泄させるために、引き続き補液を行う
飲食
- 検査終了後、1時間経過した後、バイタルサインに問題がない場合に可能となる
排泄
- 基本的にベッド上での排泄を行うが不可能な場合は尿留置カテーテルの挿入を行う
想定される合併症
造影剤アレルギー
- 蕁麻疹や湿疹、悪心・嘔吐、気道閉塞、ショックなどが起こる
穿刺部位の出血
出血
- カテーテルの操作によって、動脈瘤の再破裂や、細い血管の出血が起こる
肺・脳梗塞
- 血管内にカテーテルを進める経過中、血栓が飛び、梗塞が起こる
動脈塞栓
- 末梢側の足先端に血液がいき届きにくくなり、疼痛や冷感が起こる
本コンテンツの情報は看護師監修のもと、看護師の調査、知見、ページ公開時の情報などに基づき記述されたものですが、正確性や安全性を保証するものでもありません。
実際の治療やケアに際しては、必ず医師などにご確認下さい。
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