全身麻酔の介助
全身麻酔の介助【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2013年9月16日
最終更新日:2019年06月03日
(変更日:2019年9月26日) ※
目的
- 麻酔科医の処置の介助をしながら、五感やモニタリングによる異常の早期発見、予防に努める
- 手術室入室から麻酔導入までは患者にとって緊張・不安が最も大きくなる時期であるため、患者の心理的支援を行い、安全・安楽に麻酔導入が行えるよう援助する
物品・準備
- 喉頭展開時に必要物品
- 気管挿管に必要な器具
- 気管チューブ
- カフ用シリンジ
- 水溶性潤滑ゼリー
- リドカインゼリー
- リドカインスプレー
- 気管チューブの固定と身体保護に必要な器具
- バイトブロック
- 固定用テープ
- 胃チューブ
- アイパッチ
方法
- 機器モニタ―の装着
- 心電計は手術野、体位変換を考慮して電極の貼付部位を決める
- 血圧計は基本的に、患肢・ルート確保側と反対側に装着する
- 酸素飽和度計は血圧計のマンシェットと反対側の指先に装着する
- 装着後、各測定値や波形の有無を確認する
- コードが交差したり、引っ張られないよう注意する
- 入室直後は不安や緊張が高まる時期なので、声掛けや説明を忘れずに行う
- 手術台からの転倒・転落に留意する
- 肌の露出は最小限にし、不必要な会話は避けるなどプライバシーの保護にも注意を払う
- 末梢静脈ルートの確保
- 輸液ルートの接続にゆるみがないか麻酔科医と確認する
- 穿刺部位が確認できるよう、その周囲の関節を固定する
- 手術中に必要なルートの長さを確保し、固定する
- 輸液の滴下状況および輸液ルートの接続部を確認する
- 硬膜外麻酔・腰椎麻酔の実施(麻酔法については麻酔科医に確認する)
- 酸素投与マスクの装着
- 麻酔だと思い込む患者もいるため、酸素であることを説明する
- 静脈麻酔の投与
- 薬品名がわかるように、輸液ルートに麻酔薬のシリンジをセットする
※自分が投与しなくとも、種類・量を確認する
- 穿刺部位の漏れ、滴下状況を確認する
- 血管痛を伴う薬品の場合は、投与前に患者に説明する
- フェンタニル(麻酔性鎮痛薬)を導入に用いる時は咳嗽を誘発することがある
- 意識の喪失
- 意識が消失した後は胸郭の動きがわかるように掛物をとる
※掛物を取るときなどは意識が不安定の状態のため、返答がなくても声掛けをする
- 不用意な言動に注意する
- マスク換気
- 筋弛緩薬の投与(筋弛緩モニターを使用するときはこの時までに装着しておく)
- 筋弛緩薬を輸液ルートから投与する
※投与する薬剤名、投与量などをはっきりと周囲(特に麻酔科医)に伝えながら、確実に投与する
- 投与後筋弛緩モニターをONにする
- 喉頭展開
- 筋弛緩薬の作用が十分出現し、かつバイタルサインが安定していることを確認する
- 介助者(看護師)は必要物品を手に取り、患者の右側(胸から頚までのあたり)へ立つ(基本的にはこの位置だがまれに例外もある)
- 麻酔科医が患者をスニッフィング・ポジションにし、喉頭展開する
- 麻酔科医の妨げにならないよう、喉頭鏡を渡す
※喉頭鏡はブレードを最後まで開き、ブレードの先を患者の足元に向けて渡す
- 吸引はすぐに使用できるように準備しておく。また歯牙欠損にも注意し、麻酔科医との間でスムーズに物品の受け渡しが出来るようにする
- 気管内チューブの挿管
- 麻酔科医は左手で喉頭鏡を固定しているため、麻酔科医の視界を妨げないように右手に気管チューブを渡す
※気管内チューブはチューブの上端を持ち、麻酔科医が中央より上を把持できるようにする
- 必要であれば口唇をよけ、麻酔科医の視界を確保する。
- スタイレッとの抜去
- 気管内チューブと麻酔回路の接続
- 喉頭鏡を抜去し、気管内チューブの位置(深さなど)を確認する
- 麻酔科医が気管内チューブと麻酔回路を接続し、換気を再開するので、看護師は胸郭・腹部の動きを確認する
- カフエアーの注入
- 気管挿管が確認され、麻酔科医から指示があった場合、カフエアーを注入する
※カフエアーは通常3~7mLだが、個人差や使用する気管内チューブによっても異なるため、注入するさいには「●●mL入れます」と麻酔科医への確認を取りながら行う
- 聴診
- 麻酔科医が、患者の口元に耳をよせ、空気の音の漏れはないか確認する
- 必要に応じて、麻酔科医の聴診を介助する
- 気管内チューブの固定
- 固定位置、固定終了後の気管内チューブの深さを確認する
- 気管内チューブ固定後、すばやく回路に接続できるように介助する
- 人工呼吸再開、吸入麻酔薬投与
- その後必要に応じて胃管や尿道カテーテルを挿入する
注意点
- 手術台は狭く、転倒・転落のリスクがあるため、常に患者の状態を確認し、適切な身体固定などを行う
※筋弛緩薬の効果により患者自身は自身の手足等を支えられないため、手術台から手足が逸脱する・落下することで、脱臼するリスクもある
- 喉頭展開から気管内チューブと麻酔回路を接続するまでの間は、患者は自発呼吸をしていないため、迅速かつ的確な手技で気管内挿管を行う必要があり、介助者(看護師)は流れにそった介助を行うことが重要となる
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