崖っぷちのくまさん (女性) からのお悩み
医療とは畑違いの仕事に就いていましたが、50歳にしてナースになりました。しかし看護師の資格取得をゴールにしてしまったこと、頑張れなかった為転職。その後ディサービスで働いて三年になります。体力的にもいまの仕事をずっと続けていく自信がなく、気持ちでも医療をやりたいと思い悩んでいます。バツイチのため生活費も稼がなくてはなりません。医療の経験はないに等しい私ですが、やっぱりこのまま終わりたくないという思いが絶えずあります。現実どのようなところで受け入れてもらえるか、経験を積んだらよいのかわかりません。何かアドレス頂けたら嬉しです。よろしくお願いします。
椿(ツバキ)からの回答
これからの”思い”に左右されると思います
崖っぷちのくまさん、こんにちは椿です。お悩みを拝見しました。
まずは、私から崖っぷちのくまさんへの称賛の言葉となりますが、50歳にして看護師になる–これはもの凄く大変なことだったと思います。
私は高校を卒業してそのまま看護師の専門学校へ入りましたが、それでも実際に看護師になるための勉強をし、実習をこなし、国家試験に合格する、という看護師であれば誰でも通る道が、当時はとても長く感じていました。
まぁ今にして思えばとても良い経験でしたし、良い思い出でもありますが。
当時の苦楽を共にした同級生とは今でも交流がありますしね。
しかしこの道のりを50歳という年齢で超えて来た、その点はとても素晴らしいと思います。崖っぷちのくまさん、ブラボー!!
さて、では本題に入りますね。
まず崖っぷちのくまさんご自身も感じておられると思いますが「看護師の資格取得をゴールにしてしまったこと」、ここがまず1つの間違いだったかもしれません。
私自身も自分の娘と話していて感じることですが、自分の夢を「○○になりたい」で終わらせてしまうと、それを達成した時点で先が無くなってしまうんですね。
娘はまだ小学生なので「その先を考えなさい」というのは無理な話なのですが、「なぜその職業に就きたいのか」「その職業に就いたことで自分が何をしたいのか」ここまで考えておくべきだと思うのです。
ところが、崖っぷちのくまさんの場合はここをゴールにしてしまった。そのために最初の職場ではあまり長くは勤められなかったのですよね。
恐らく、崖っぷちのくまさんはこの時点で「燃え尽き症候群」のような状態になっていたのではないでしょうか。そして転職する際には「自分が楽だと思える方」を選んでしまったのではないか?と推測します。いかがでしょうか。
確かに介護施設やデイサービスは、看護師の仕事の中では比較的楽に見えるかもしれません。
しかし実際は違いますよね。ひっきりなしに救急車がくるような救命センターや手術室のような特殊な環境からみるとのんびりしているように見えますが、実際にはものすごく体力の要る仕事だと思います。
ですので、今の崖っぷちのくまさんのジレンマも理解できます。
ではどうすれば良いか。
崖っぷちのくまさんは「医療をやりたい」と考えておられるようですが、具体的に「やりたい!」と思う分野はありますか?
多分、ここがこれからのポイントになると思います。
看護師が働く医療現場は、非常に多岐に渡っています。中でも、例えば救急や集中治療室や手術室などは、比較的若いうちに経験を積む方が良いのではないかと私自身は考えています。
これらの分野は非常に体力も使いますし、とにかく覚えなくてはいけないことが膨大なので、脳みその皺の多いうちの方が向いていると思うからです。
では一般的な病棟はどうでしょう。病棟は必ず3交代(あるいは2交代)ですが、体力的には自信がありますか?
また、これまでの経験がデイサービスのみ3年というのは、やはりネックになると思います。どこの病院でも若い新人看護師が働く場所として適切ですし、病棟経験がない中途採用は、かなり難しいかもしれません。
それからクリニックや外来。外来って実は、当該科の疾患だけではなく、幅広い知識や経験ももちろんですが、看護師としての”勘”みたいなものが求められる場所でもあります。
しかし、こちらは基本的には夜勤はありませんので体力的には十分可能だと思います。あとはどれだけ熱意をもって望めるか、ではないでしょうか。
あと私が個人的に崖っぷちのくまさんにチャレンジしてほしいと思うのは、ターミナルケアや緩和ケアです。
この分野は超高齢化が進む日本ではますます需要が増えていきますし、国としても今後は在宅での療養を推進する動きもあるようです。今現在デイサービスで高齢者の方と接しておられるのであれば、少しはその経験も生かせるのではないでしょうか。
こちらも病棟などでの”医療”経験が豊富な方が喜ばれる分野ではありますが、崖っぷちのくまさんのようにある程度年齢を重ねて人生経験が豊富な人は、患者さんだけではなくご家族まで含めたケアも考えていけるのではないかと思います。
もちろん、体力的にも精神的にもキツイ部分はあると思います。でもそれが看護師という仕事なのです。
お悩みを拝見する限りでは、崖っぷちのくまさんのこれまでの人生についてまでは分かりません。看護師としての医療経験はゼロに近いのかもしれません。ですので即戦力となることは難しいと思います。
でもその代り、50歳という節目を過ぎても看護師になる努力をしてこられた方ですから、看護師以外での人生経験も生かせるような仕事を選ぶのも良いのではないでしょうか。
もちろん、20代や30代の看護師の転職のようにはいきません。実際に転職できるかどうかは、これからの崖っぷちのくまさんの”思い”に左右されると思います。
どうしても転職したいと思うのであれば、まずは動いてみることです。
10件受けてもダメなら、もう10件頑張れば良いのです。
正直、転職までの道のりは非常に長いと思います。それを乗り越えられるかどうかは、崖っぷちのくまさん自身の”思い”にかかっています。
個人的には応援しています。頑張ってください!