看護師の仕事は療養上の世話と診療の補助です。これは師長であろうとスタッフであろうと変わりません。
日誌を書く、印鑑を押す、上からの伝達事項を伝達する、ということだけが管理者の仕事!と勘違いしている方も中にはいるかもしれませんね。
師長・主任の仕事は、現場の顔となるスタッフの教育、そして、やりがい・生きがいが感じられるような働きかけをし、部署をマネジメントしていかなければなりません。
では、師長・主任は具体的にどのようにスタッフを指導し、どのような管理視点をもつべきなのでしょうか。
スタッフの指導について
患者の看護に直接携わっているのは師長ではなく最前線で働くスタッフです。
医療の現場で患者から一番評価されるのが、このスタッフの質だと思います。患者の満足度や質の高い看護の提供は、スタッフが如何に関わっているかで決まります。
師長・主任は、実践の場においてロールモデルとして行動することも必要です。
全く手を出さないのもよくないですが、スタッフに任せることができず、何でも自分でしないと気が済まない、というのも考えものです。
自分や家族が入院していることを想定し、スタッフにどのようなかかわりがベストなのか、どのように話しかけたら響くのかを考えてください。
間違っても「この病院には親を入院させたくないわ」などと自ら言ってしまうような職場にはしないことです。
そして、患者さんの生の声をよく聴き、どのような看護が行われているのか評価するようにしましょう。
師長・主任がもつべき4つの管理視点
部署管理を行う上で師長・主任などの中間管理者は、スタッフが療養上の世話・診療の補助などスムーズに行えるよう、日頃から次の4つを管理しましょう。
1. 人の管理
- 質の高い看護を提供するのにスタッフの数は足りていますか。
- スタッフに自己の健康管理をするように促していますか。
- 受け持ち看護師と患者の関係はどうですか。
- 連絡・報告・相談がきちんとなされるようなシステムは構築されていますか。
2. 物の管理
- 物品の数はあっていますか。
- 業務を行う上で必要な数ですか。
- 次回使用できるように所定の位置に整理整頓されていますか。
- 後片付けがされ次回すぐ使用できるようになっていますか。
3. お金の管理
- 物品を無駄使いしていませんか。
- 必要なのに物品が不足していませんか。
- 不足しているものの補充は速やかにできていますか。
- 必要な物品を購入できるシステムがありますか。
4. 質の管理
- 看護の質を評価できるツールがありますか。
- 看護サービスは適切ですか。
- 看護者への教育は定期的に行われていますか。
- 必要な研修は受けられるようになっていますか。
おわりに
師長は主任と共に管理をして、普段から主任の教育を行います。そして師長がいないときは主任が同じように管理を行えるようにしておきます。
しかし、管理については師長や主任がやっているから、師長・主任以外のスタッフが関係ないのかというと、決してそうではありません。
師長・主任は、日頃からスタッフによく関わり、人・物・お金・質の管理をスタッフレベルまで落としこみ、1人1人が考えて行動できるように導いていくことが大切です。