指導という意味は「ある目的・方向に向かって教え導くこと」とあります。
指導して思うように進まなかったとき、
「自分が若かったころは自分で前もって調べてきたものよ」
「今ほど丁寧に教えてもらってなかった」
と、新人や転職してきた人に向かって言っているのをよく聞きます。
何十年たっても同じ言葉を聞いています。
これまでの自分や職場のやり方に囚われず、指導することの意味をもう一度考え、具体的に「何を・いつまでに・どの様な方法で指導するか」を示すことが必要です。
指導する際のポイントはたくさんありますが、ここでは最低限押さえておいてもらいたい指導のポイントを5つあげてみます。
先輩看護師がスタッフに指導する際の5つのポイント
1. 指導が必要な人であることを理解する
それぞれ育成段階により指導内容は違います。新人への指導と部署変更や転職した看護師への指導は違ってきます。ラダーをもとにしっかり指導計画を立て対処してください。
もちろん管理職に就く予定の看護師には、その上の看護師の指導が必要になります。
スタッフであろうと、これから管理を学ぼうとする人であろうと、指導の仕方で育つのか、やめたいと思うのか決まります。
2. 指導する相手のスキルを知る
相手は何ができて、何ができないのか把握して指導にあたってください。
そうすることでそのスタッフを知ることにもなり、どのような指導が必要か見えてきます。
3. 指導する内容をチェックしておく
具体的に指導するために、何を指導するのか予め確認しておきましょう。
教える側が行き当たりばったりやその日の気分では、指導される側は混乱するばかりです。
4. 「どうしてできないの」「どうして間違うの」は指導ではない
「どうしてできないの」「どうして間違うの」と叱ることは指導ではありません。
大切なのは、相手が「何を理解し、何が理解できていないのか」を知った上で指導することです。できてないこと、間違っていることは何か具体的に伝えましょう。
5. 指導者自身がロールモデルとなる
ー やってみせて、言って聞かせて、やらせてみて、 ほめてやらねば人は動かじ ー
山本 五十六(いそろく)の名言にもある通りです。できなければやって見せて、やらせてみましょう。それでもできなければもう一度やって見せてやらせてみましょう。
これの繰り返しです。
中堅看護師の指導が 職場の質を変える!?
先輩看護師がどのような人であったかで受ける影響も大きく、看護に対する考えや行動が変わってきます。
一人の看護師を育てるには時間もかかります。新人であれば尚のこと。
看護師というキャンバスは白紙で、そこに先輩看護師が何を書くかで決まります。
指導するということは責任もあります。しかし、先輩看護師さん考えてみてください。
指導は苦手、教えるのが面倒くさいと逃げていたら自分が働く職場の質は上がりません。
同じ働くのであれば誇れるような職場であってほしいと思います。
指導するということは難しいことであり忍耐が必要です。しかし、指導することで自分自身も育つことをどうか理解してください。
おわりに
価値観の違いを少しでも埋めるために、先輩看護師としてどのような看護をしたいのかどのような看護師になりたいのか言葉に出してみることも意外と大事なことです。
中堅看護師の皆さん、ぜひ現場で看護を語れる看護師でいてくださいね!