看護師という仕事は常に忙しい!
仕事中に、ついイライラして患者に心にもないことを言ってしまい、予想外のトラブルに…なんて経験はありませんか?今回は患者と良好な人間関係を築くための話し方のポイントについてお話しします。
患者と良好な人間関係を築くための話し方の基本的なポイントとして
- 親しみのある礼儀正しさ
- 双方向コミュニケーション
- 感情のコントロール
この3つが挙げられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.親しみのある礼儀正しさ
良好な関係を維持するためには『親しみのある礼儀正しさ』が求められます。
ただし、”親しみ”と”馴れ馴れしさ”は違います。
これは看護師が「私はコミュニケーションがとれている」と勘違いしている部分で、もし、これまで特にトラブルがなかったとしたら、少し厳しい言い方をさせていただきますと、相手が稚拙な表現しかできないあなたのレベルに合わせてくれていただけです。
相手を「敬う人」として、接するには言葉の使い方が大きいです。
患者には敬語は基本であり、最低でも語尾は「です、ます」で言えるようにしましょう。
”文は人なり”という諺がある通り、人が使う言葉はその人柄を表します。心が悪いから口も悪いのです。言葉を変えると人格が変わります。
- 「大丈夫です、安心してください」
- 「チーム一丸となり、全力で支えます」
- 「わたしたちも頑張ります」
わたしたち医療従事者の言葉には魔法があります。患者はその言葉に救われることもあるということを心に刻んでおきましょう。
2.双方向コミュニケーション
忙しい時、患者の話は聞かずに、ついつい説明を一生懸命している看護師をみかけます。
冷静にみると、これでは一方通行のコミュニケーションになってしまうため、相手の言い分は聴けていません。そのため、患者はきちんと説明を理解できず、不安も解消されないため、再び説明を求められ、余計に時間がかかってしまった…!なんてことになったりもします。
良いコミュニケーションとは双方向が基本です。聴くと時間がかかるという固定観念がありますが、何度も説明を繰り返すほうが、意外と時間がかかっているのです。(誤認識からトラブルが起きてしまったりしたら、それ以上に…)
話すは技術、聴くは器です。
いったん、覚悟をして真剣に聴く姿勢が、相手の不安を解消でき、早期解決に繋がりますよ。
3.感情のコントロール
ついつい仕事が忙しくて、カッとくることもあるかもしれません。
しかし、良いコミュニケーションのためには、感情をコントロールすることも大切です。
私たちの身体の特徴として、無意識と意識化におけるのが自分の呼吸です。自分の呼吸に気づくことができると感情コントロールがしやすくなりますよ。
ポイントは、リラックスし感情をコントロールすること。リラックスできると本来の自分に戻ることができ穏やかな心で対応できます。
緊張したり、気持ちが高ぶっている時には浅い呼吸であるため、行動を起こす前に深呼吸をして自分の状態を整えると良い結果を得られますよ。
おわりに: 感情をコントロールするためのトレーニング方法
最後に、無意識の呼吸を意識化できるトレーニングを紹介しますね。具体的なトレーニング方法は以下の2つです。
1. 自分の呼吸の仕方に意識を向ける時間をもつ
朝起き上がる前、寝る前、食事中、歩いている時、仕事中、気づいた時に1分間程度 、自分の呼吸の仕方に意識を向ける時間を持ってみましょう。
回数は自由ですが、繰り返しトレーニングをしていくと「あっ!」と、それぞれの人生において大切なことに気づく時がきます。(これはやってみなければわからない心境です!)
嫌なことがあっても、心が平和に戻りやすくなります。
2. 誰でもいいので他人の呼吸の仕方を観察する
もう一つのトレーニング方法は、誰でもいいので他人の呼吸の仕方を観察してみることです。
ポイントは、さりげなく胸式呼吸か腹式呼吸か見極めて、胸のあたりやお腹まわりを観察します。腕や足元なども目線をそらしながら観察します。(凝視し過ぎて不審者と間違えられないよう注意してくださいね 笑)
例えば、傍でテレビを見ている家族、通勤の電車内で近くにいる人、会議中の相手の呼吸状態など、数分観察してみましょう。
患者に、心から魔法の言葉を言える看護師を、ぜひ目指していきませんか。