医療の仕事をする上で一番大切なパートナーである医師。医師と看護師が良好な人間関係をつくることができると、頭を悩ませている数々のクレームもなくなるかもしれません。
今回は医師と良好な人間関係を築くためのコミュニケーション術の4つのポイントを紹介します!
1. 医師の強みを見つける
命を預かる第一責任者になる医師は、それぞれの人生の中で相当の覚悟を決めてきているものです。人の命の判断ですから、精神的な重圧を何度も経験して、確固とした自信とプライドが形成されると思います。
ほとんどの医師は医業をやり続ける限り、顔は平気そうでも、心はプレッシャーを感じながら仕事をするのでしょう。また、不安であっても医師という看板を背負い、虚勢を張る時もあるでしょう。
経験豊富な看護師は、医師の指示に疑問をもち、意味不明で怒りたくもなることもありますが、自分が医師の立場になったらと想像してみてはどうでしょうか。かなりの怖さと不安で震えるものです。
ちょっと不安な医師に出会ったとしても「先生そんなこともできないの!」とは決して言ってはいけません。医師の強みをみつけて、品よく立てていくと円満です。
医師は、やはり看護師以上に数々の修羅場も越えていますから、看護師にとっての重要問題が些細なことと思われ、軽くあしらわれたりもしがちです。
いずれにせよ「看護師はこの程度しかできないのか~!」と上から目線で言われないように、何でも医師頼みではなく自分でも判断できるように努めましょう。
2. 医師に対して尊敬の気持ちで接する
普段、医師に対して自分の深層部にある気持ちは如何でしょうか?
例えば、医療の場で迷える看護師の救世主は医師だと思っているのと、私が医師の面倒をみてあげていると思う看護師では、言葉以外にでる非言語コミュニケーションが違ってきます。
同じ依頼を医師にしていても、後者の看護師は態度で医師を下に見ていることが伝わってしまうものです。
医師もいろいろなタイプがいますが、尊敬されて嫌な人はいないと思います。
少しオーバーでも言い過ぎではないので「それはすごいです。ご立派です。先生のお陰で助かりました。教えて頂きありがとうございます。」など意図的に伝えましょう。それが苦手な看護師は「ほ~、おお~、へぇ~」などの感嘆詞でも気持ちは伝わります。
尊敬の気持ちを与え続けることができれば、医師も安心でき心を開いていきます。本音でいろいろとお願いしやすくなれば仕事もしやすくなりますよ。
3. 常日頃から医師をサポートする
看護師も業務に追われて忙しいから、ついつい医師に業務を振り分けたくなることもあるでしょう。緊急、急変、急用と予定通りに仕事が進まない医療の現場では、皆が忙しいです。
いろいろあるけれど、ここぞという時に医師の力を借りるには、常日頃、医師をサポートしてきた量で分かれます。
医師を手伝うと癖になるからとキッパリと断る人もいますが、医師がたいへんな時には「今日は」「今は」と前提をつけて「手伝いますよ」と助けてあげましょう。その時に、笑顔も一緒に、目も合わせて、好印象が記憶に残るようにアピールしていきましょう。
業務の忙しさも一緒に助け合える仲間がいることで、やりがいになり、乗り越えられるものです。医師も看護師も例外ではありません。
4. 気持ちの良い挨拶を続ける
医師と少し距離を感じる時でも、こちらから挨拶をしましょう。
仕事をしながら流れるような挨拶ではなく、少し立ち止まりお辞儀付きで挨拶をすることです。お辞儀は頭を下げる時間よりも、頭をあげる時間で気持ちを伝えるものと言われますので、「1で下げて、2,3のリズムで頭を上げる」とよいでしょう。
挨拶は相手の存在を繰り返し承認する方法です。やがて、心と心が繋がります。
忙しい医師とは3%しか伝わらない言葉より、態度など97%の非言語コミュニケーションを発揮していくと良いですね。
相手の態度が変わるのを待つのではなく、先に自らの立ち居振る舞いを見直し、誰からも愛される看護師になりませんか。