春。出会いと別れの季節ですね。
この時期、病院内で起こるドラマはズバリ「異動」…
この2文字が出た時点で、異動する本人はもちろん、周囲も大騒ぎ!
今回は、そんな異動にまつわるエピソードと異動までに準備すべき事をお届けします。
異動宣告は突然に…
施設によって異動宣告の時期や方法はさまざまです。
異動の数ヶ月前に所属長から本人に打診をする施設もあれば、何の前触れもなく、突然掲示板に張り出される施設もあります。
組織的な施設であれば、異動によるトラブルは少ないのでしょうが、多くはそれなりの波乱を呼びます。
師長へ異動理由を問いただすスタッフ、部長室へ駆け込み直談判をするスタッフ、さらには部署でストライキを起こす事態になることも!
異動するスタッフも大変ですが、異動を宣告する管理者も大変です。
病院での異動の背景
異動の理由はさまざまですが、主な理由は以下のようなものがあります。
異動の義務化
この場合は、一定期間(3~4年が多い)で全員部署異動を行います。
スタッフにさまざまな知識と経験を習得させることが目的で、時期が来ると自動的に
ローテーションする仕組みなので、異動することが当たり前という風習が生まれます。
スタッフのモチベーションUP
事前にスタッフに配属部署の希望を提出させ、それを考慮した異動を行う場合もあります。
スタッフの希望がすべて通れば、異動はむしろ嬉しいものになるのでしょうけど、現実的にはちょっと難しいですよね。
マンパワーの調整
異動の理由として最も多いと思われます。
勤務条件(夜勤回数など)、経験年数や能力を各部署が平均化するよう調整するために異動が行われます。この場合は取得している資格によって異動が検討されることもあります。
人間関係の調整
個人的な人間関係のもつれによるものや、お局ナースたちで構成されたコワーイ組織の解体など…あまり公にしたくないコトですが、こういった理由で異動を行うという場合もあります。
いずれにしても、病院という一つの組織で働く以上、異動は避けられませんし、余程の理不尽な理由でない限りは、原則として断ることはできません。
とはいっても、希望しない異動はやっぱりツライ!が本音…
では、異動を受け入れるためにはどのようにしたらいいのでしょう?
異動を宣告されたら
なぜ自分が異動を命じられたのか、理由を管理者に聞いてみてもいいと思います。しかし、その返答が自分にとって、必ずしも納得できる内容とは限りません。
だからといって、直談判やストライキを起こすなどの行動は、よっぽど理不尽な異動でない限り慎むべきです。組織は一人のスタッフのために成り立っているわけではありません。
でも、希望しない異動を受け入れるのはやっぱり大変です。対処法はズバリ、
異動することのメリットを考える!
当たり前過ぎますが、これが一番です。
例えば…
- 新しい疾患や看護を学べることで知識が広がる
- 新しい仲間ができ交流が広がる
- いいところも悪いところも比較ができ、視野が広がる
分野が違えば、これまで培ってきた知識や技術がすぐには活かされないこともあり、もどかしく思うこともあります。
同じ施設内でも、部署が違えばそこは異なる文化。では、異動までの間にどんなことを準備しておけばいいのでしょうか。
異動までにやっておくべき4つ準備
疾患や処置などの事前学習
まずはその部署の特徴に応じた事前学習が必要です。
主な疾患やよく行われる処置、その部署ならではの特殊な管理やケア方法などについて
事前にリサーチして調べておきましょう。
必要物品の準備
ペンライトや聴診器など、そこでの看護にあたり新たに必要な物品があるかもしれません。
患者さんの情報収集
患者さんの名前や情報もイチから頭に入れる必要がありますから、もしも可能であれば異動前に部署にお邪魔して情報収集しておくのもひとつの手でしょう。
部署の組織図やスタッフの確認
また、部署の組織図などがあれば事前に見ておくといいですね。スタッフ全員の顔と名前を覚えるのもこれまた大変です。
まずは異動先のやり方を学ぶ姿勢を大切に!
それ以外にも、部署ごとのローカルルールなど、実際に中に入ってみないとわからないこともたくさんありますが、焦らず対応していきましょう。
異動となると、どうしても前の部署と比べてしまいがちです。
「前のやり方のほうが良かった」などとついつい言いたくなるときもあるとは思いますが、異動早々にこのような発言は他のスタッフにとってもあまり面白くありません。
そこはグッと飲み込み、まずはそこでのやり方を学ぶ姿勢を大切にしましょう。
そして何より笑顔と元気なあいさつを忘れずに!
おわりに
新しい部署で新しい経験を積むことは、ナースとして決して無駄にはならないと思います。ちょっと勇気がいりますが、新しい自分を開拓するための挑戦と捉えてはいかがでしょう。
異動という経験を糧にできるかどうかは自分次第です。
ナースの皆さんの新しいスタートが、有意義なものになりますように!