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看護師は辛い出来事をどのように乗り越えているか

公開日:2015年4月22日
最終更新日:2015年4月22日
(変更日:2015年4月22日) ※

看護師の仕事は本来、とてもやりがいのある仕事の1つです。

しかし、その仕事に対して、人によっては「辛い」という感情を持つことがあります。

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そんな時、アナタはどうしていますか?

ここでは、何人かのケースを交えながら「辛い時を乗る超える方法」を考えてみます。

 

看護師が「辛い」と感じるのはどんな時か?

これは人によって、看護師によって、実に様々で、一言で表すのはむずかしいのですが

  1. 自分の体調不良が辛い
  2. 職場の人間関係が辛い
  3. 仕事についていけなくて辛い
  4. 大きなミスをしたことが辛い
  5. 患者さんの死に直面して辛い

大きく分けて、この5つが挙げられるのではないでしょうか。

では、それぞれの辛い経験を乗り越えてきた、看護師のケースを見てみましょう。

 

体調不良で辛い! Aさんの場合

Aさんは24歳、整形外科病棟に勤務しています。

普段の仕事は、体位変換や入浴介助、車イスへの移乗などもあるため、なかなかの重労働です。元々少し腰痛がありましたが、ある時、仕事中に強い腰の痛みを感じ、早退して外来を受診し、鎮痛剤と消炎目的の貼付薬を処方されました。

内服薬と貼付薬を使用しながら翌日からも出勤しましたが、やはり腰の痛みは続いており、非常に辛い日が続きました…

ターニングポイント! – 先輩からの助言 –

ある時、やはり腰痛持ちの先輩から、次のようなアドバイスを受けました。

  • 腰のサポーターやコルセットを使って、腰そのものを保護すること
  • 学校で習ったボディメカニクスを復習すること

Aさんはそれまでの自分の仕事のやり方を振り返り、さっそく先輩のオススメのサポーターを購入。

家に帰って学生時代の教科書を読み、次のことに注意して仕事をするようにしました。

  • 足を広げて立ち、自分の重心を低くすること
  • 自分の身体をねじらない
  • 患者さんに出来る限り接近する
  • ”てこの原理”を応用する
  • 患者さんの身体をできるだけコンパクトにまとめる

Aさんのケースのポイントは?

Aさんが実行したことは、ベテラン看護師であれば当たり前のことかもしれません。

しかし、Aさんは若さや体力にも自信があったので、自分を守ることに無頓着だったことに気付いたのです。

これらに気を配る様になったAさんは、腰痛も徐々に軽減し、現在も整形外科病棟で働いています。

 

意地悪な先輩との人間関係が辛い! Bさんの場合

Bさんは27歳、そろそろ病棟内でも中堅といわれる立場です。ところが、その病棟にはBさんとはウマの合わないS先輩がおり、もう2年も一緒に働いています。

何か疑問に思ってS先輩に聞いても、「そんなことも知らないの?」と教えてくれませんし、Bさんにも聞こえるように嫌味を言ってきます。Bさんが何か失敗すると、ここぞとばかりに攻撃されます。

特に夜勤が一緒の時は、恐怖すら覚えます。

ある日の仕事帰りに、同じ病棟に勤務する同僚から食事に誘われました。ここ数日、S先輩からの攻撃もあって気分が滅入っていたBさんは、あまり気乗りしませんでしたが、誘われるままについて行きました。

するとそこには、同僚のプリセプターであるO先輩がいました…

ターニングポイント!- 先輩からの聞き取り –

あまり食事が進まないBさんに対し、O先輩が
「Sさんのことで悩んでない?実際どんなことをされているのか、教えてくれないかな?」
と言いました。それを聞いたBさんは、思わず泣き出してしまいました。

しかし、少しずつ、自分が辛いと感じていることを話ました。

すると翌日から、S先輩の攻撃は減りました。どうやら師長とO先輩がいろいろ配慮してくれたようです。

シフトが被ることが減ったり、2人きりにならないよう、周りも配慮してくれるようになりました。

Bさんのケースのポイントは?

このケースでは、自分ではなかなか言い出せなかったBさんの辛い部分を、周りが汲み取ってくれた結果が功を奏しました

S先輩からの直接攻撃が減り、Bさんも前向きに仕事に打ち込めるようになりました。

こういうケースは「自分で声をあげる」ことが先決なのですが、性格的に難しい人もいます。「周りが気付く」ことができれば良いのですけどね。アナタの周りには、ツラそうな人はいませんか?

 

仕事についていけず辛い! 新人Cさんの場合

Cさんは新卒でICUに配属されました。学生の頃に勉強してきた知識や経験ではまったく足りず、毎日家に帰ってから夜遅くまで勉強していました。

もちろん、ICUの先輩たちは優しくいろいろなことを教えてくれるのですが、Cさんはどうしても焦りが出てしまい、小さなミスを連発してしまいます。

「毎日こんなに勉強しているのにどうして頭に入らないのか」と悩み、毎日の仕事に行くのが憂うつで仕方ありません。

ある時、自分のプリセプターであるN先輩に思い切って相談しました。するとN先輩は「どうやって“勉強”しているの?」とCさんに聞きました…

ターニングポイント!- 先輩への質問 –

CさんはICUの人向けに出版された書籍をいくつも持っていましたが、基本的にその本を読むので精一杯。

もちろん、その日に実施した看護ケアに関するところを読んでいるのですが、なかなか頭に入らなかったのです。

N先輩は、Cさんにまず、その勉強法を正すよう伝えました。内容は以下のようなものです。

  • まずは、その日の自分の仕事を振り返って、使ったもの、手順、観察ポイント、気を付けるところを自分なりにまとめること
  • それでも不足していることは必ずあるから、次に同じことを経験したら、書き足していくこと
  • 分からなかったところはそのままにせず、必ず次の勤務の時に、先輩に確認すること

これを実行するようにしたCさん。

1ヶ月後にはかなり仕事にも慣れ、小さなミスを連発することは無くなりました。

Cさんのケースのポイントは?

勉強方法というものは人それぞれですし、今やっている勉強法が自分に合っているとは限りません。

まずは自分に与えられた仕事を全うすること。
そして、それに対して復習をし、1つ1つ確実に自分のものにしていくこと。

これが仕事に慣れる一番の近道なのだと思います。

 

大きなミスをして辛い!Dさんの場合

Dさんは3年目の看護師です。

ある日の夜勤帯で、患者さんへのケアの後、ベッド柵を戻すのを忘れてしまいました。

しばらく経って、一緒に夜勤をしていた先輩がその患者さんのところへ見回りに行くと、患者さんは床に転落しており、肩の痛みを訴えていました。

幸いなことに骨折はしておらず、打撲のみで済みましたが、Dさんはインシデントレポートの作成と、医師と患者さん、ご家族への謝罪を行いました。

しかし、Dさんは仕事にいくこと、特に夜勤が怖くなってしまい、表情が暗くなり、勤務中もビクビクしてしまう様子がみられます。

ある日、師長に呼ばれました…

ターニングポイント! – 師長からの助言 –

師長はDさんにこう言いました。

「今回のミスは、患者さんは本来なら無用な痛みを感じ、治療も受けているし、看護師として確かにやってはいけないミスではある。でも大事なのは、それを隠すことなく報告し、深く反省した上で、今後は同じミスを繰り返さないように努めること病棟全体で考えるべきことだと思う。」

翌日の勤務時間後、病棟で対策会議が行われました。

聞いてみると、”ベッド柵の戻し忘れ”は、多くの看護師が経験していることが分かりました。ただ、すぐに気付いて患者さんの部屋に戻り、ベッド柵を戻していたので、大事には至らなかったようです。

Dさんはこの後、自分なりの”ケアに対するチェックシート”を作り、患者さんごとの確認ポイントを書きだすことにしました

その結果、観察もれや確認ミスを減らすことが出来ました。

Dさんのケースのポイントは?

人は誰でも「あ、忘れた」ということはあります。

特に夜勤帯は看護師が少なく、他の患者さんからのナースコールに対応していると、なかなか気づかないこともあります。

Dさんの場合は、確認ミスやチェック漏れを無くすために、自分なりの努力をしたことで、慌てずにしっかり確認するクセがついたのかもしれません。

やり方は人それぞれですが、ケアの前後は慌てずにしっかりと細かいことまで確認する、確認ミスを無くす方法を、じっくり考えてみましょう

 

患者の死に直面して辛い!Eさんのケース

Eさんは経験4年目。この春、眼科病棟から脳外科病棟へ異動してきました。

ある日、患者さんのバイタル測定にいくと、患者さんは昼寝中?イビキをかいて眠っているように見えます。いつもはニコニコして「今日もありがとう」と声をかけてくれる患者さんです。

呼びかけても返事をしませんし、血圧がいつもより低い。ナースステーションに戻ったEさんがリーダーに報告すると、なぜかリーダーは慌てて患者さんのところへ。

「あれ、イビキじゃなくて下顎呼吸だから!急変してるの!」とすぐに担当医に連絡。

「あなたは記録してて!」といわれ、日勤帯の看護師3人と担当医でさまざまな処置を施しましたが、結局患者さんはそれから間もなく亡くなってしまいました。

Eさんは患者さんの急変に気付けなかったこと、目の前で患者さんが亡くなってしまったことにショックを受けてしまいました。

ターニングポイント! – 先輩の経験談 –

その後数日、Eさんはショックから立ち直れず、ふと気づくと亡くなった患者さんの笑顔を思い出してしまいます。よくよく考えるとEさんはこれまで、急変や患者さんの死の場面に立ち会ったことが無かったのです。

そんな時、先ほどのリーダーだった先輩から、こんな言葉をかけられました。

「Eさんは確かに学生の時も経験しなかったし、眼科病棟で急変から死、ってないよね?

今回、初めて患者さんの死を見たかもしれないけど、看護師であれば誰でも経験すること。
私だってまだ6年目だけど、患者さんの死はもう何十回も見ているよ。

無神経になれとは言わないけど、今回の経験で得たものも多いはず。

Eさんがやるべきことは、患者さんが残してくれた経験を大事にして、今生きている患者さんのケアを精いっぱいすることじゃないかな」

その日から少しずつ、Eさんは”今生きている患者さんへの精一杯”を考えるようになり、前向きに仕事に取り組めるようになりました。

Eさんのケースのポイントは?

今回のEさんは、

  • 患者さんの急変に気付けなかったこと
  • 実際の緊急処置の場面を初めて経験したこと
  • 目の前で患者さんが亡くなってしまったこと

この3つの点が衝撃的だったようです。

確かに初めて人の死に直面すると、かなりのショックは受けます。
でも看護師であれば誰でも経験することですし、”そこから得られる経験”も多いはず。

立ち直り方は人それぞれですが、Eさんは先輩の言葉がきっかけで前向きになることが出来ました。

特に新人さんではショックを受ける人も多いと思いますが、身近でこのようなケースがあったら、前向きになれるような言葉をかけてあげてくださいね。

 

おわりに

辛い出来事を乗り越えるためには、時に人の助けも必要

いかがでしょうか。看護師の仕事は辛いことが多いのですが、その理由は人それぞれですので、対処法も人それぞれです。

今回は5人のケースを振り返ってみましたが、ほんの少し自分の視点を変えるだけで、辛さの原因を回避できることもあります。

自分一人ではどうにも出来ないと感じた時は、躊躇せずに声を上げてください。

逆に、周りの人からの助言が劇的な効果をもたらすこともありますので、周りにこんな人たちがいたら、声をかけてあげてくださいね!

本コンテンツは、看護師監修のもと、ページ公開時の調査、情報などに基づき記述されたもので、正確性や安全性を保証するものでもありません。実際の内容は各専門機関の最新情報をご確認いただきますようお願いいたします。
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