飛行機内で急変!?看護師のための旅行の心得

毎日の過酷な勤務に対する自分へのごほうびとして、数日の休みと夜勤明けなどを利用して、海外旅行・国内旅行など、羽を伸ばす看護師も多いと思います。

どんなところにいても看護師という資格と知識は役立つことから、旅先やその道中、時には飛行機という雲の上で救助を求められ、急変者の救護に出会うことが考えられますね。

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地上であれば救急車への連絡と救急車が来るまでの各対応が求められますが、飛行機の中での緊急時の対応について考えたことはありますか?

人間は場所や時間を問わず、体調を崩すことがあります。

もし飛行機の中・雲の上での緊急時の場合、どんなことが起こるのでしょうか。

日本人看護師Cさんの体験談

日本人看護師のCさんは海外旅行の道中、まさに雲の上・国際線の飛行機の中で急変者の対応を経験。日常では想像もつかない状況と限られた物品の中での対応を迫られました。その状況の一部始終を皆さんと共有し、看護師のCさんに飛行機内での看護師としての役割をお伝えしていただきます。

その時の状況は?

それは6月、アメリカではすでに夏の暑い時期で、特にアメリカは夏時間がありますので早朝とは言え、太陽はすでに顔を出し暑さも感じる季節でした。
アメリカの国内線で乗客は皆、アメリカ人でした。もちろん周りに日本人はいない状況です。

急変者の発生時の機内の様子は?

早朝であったため、機内は静かさを保っていました。まだ寝ている方も多く、起きている方は物音を立てないような空気です。

私はうとうとしていながらも、半分覚醒している状況でした。そんな中、私は後ろのほうの席でしたが、前のほうの席がザワザワしだしました。

60代女性がお手洗いに立ち上がった際に意識消失し転倒。(女性は転倒されましたが、幸運にも狭い機内での転倒、多くの椅子や人が彼女を取り囲んでおり、頭部の強打という二次障害は避けられました。)狭い通路で横にもなれず、同伴している娘はパニック状態、周りの人も何もできずにあたふたしている状況を周囲の人に知らされました。同時に、放送が入ったのです。

「急病者がでました。医師または看護師、医療従事者の方の応援を要請します」もちろん英語でしたが、英語には日ごろから触れていましたのですぐに状況がつかめました。

どんな行動に出ましたか?

自分が医療従事者であることを周りに伝えた

アメリカでは外国人であり、アメリカ人の医療関係者が機内にいることを祈りましたが、医療従事者はいない様子だったので、「アイ アム ア ナース イン ジャパン」と言い、立ち上がりました。周りにいた人が「ナースがいる!」と叫んでくれたので、狭い通路に多くの人だかりができていましたが、一瞬で人が引き、女性のもとへ急いでたどり着くことができました。

 

状況判断と周囲への配慮を考慮

ここからは、緊急時の対応です。

まずは意識状態の確認、安全の確保。周りの乗客の精神面も配慮しなければならず、急変者の女性を仰臥位にするためCAが飲み物などを準備する広めの場所へ移動させ、仰臥位にさせると、女性のベルト・ウエストを緩め、ブラジャーのホックを外しました。

その後、家族に女性の持病や内服薬の確認、最近~今朝の健康状態と既往歴の情報収集から原因の追究に勤めました。

 

周りへの必要な指示と協力を得た

機内では、緊急時に備え救急セットのようなものがあります。CAから中に入っているリストを渡されましたが、リストを読むよりも中身を確認したほうが早いので中身を出して確認しました。

CAたちも急変時のトレーニングは受けているはずですが、皆パニック状態です。CAからは「何がいるのか?」「彼女の状況はどうなのか?」 などと質問されますが、答えている余裕などありません。自分のペースで進め、「フラッシュライトは? 血糖測定器は?」「ブランケットとクッションのようなものを」など、必要な確認事項のみこちらから聞きました。
※英語ではペンライトのことをフラッシュライトと言います。

 

ペンライトでの瞳孔反射の確認 

血圧計がしっかり機能することを確認し、計れる人を当たりましたが誰もいません。CAに瞳孔反射の確認のためペンライトを渡され、瞳孔反射の確認と自分で血圧の測定をしました。同時に、機内に血糖測定器を持っている方・貸していただける方の確認(予備の針の所持の確認も含めて)をCAに促しました。

 

激しい騒音と振動から、血圧測定や呼吸音の聴取は困難であった

機内の中は想像以上にエンジンの音と振動が強く、尚且つ女性は床に臥床しており、騒音と振動をカラダで受けるため、聴診器から拍動は微妙に聞こえるのみでした。
触診でなんとか血圧をとり、それと同時にCAが機内の電話から病院と連絡を取り、状況の説明をしました。

 

糖分の含んだ水分摂取による血糖上昇の試み(既往歴の確認要)

女性の意識も次第に戻り、状況を確認すると「立ち上がったときに意識を失った」「意識を失う前、現在も頭痛や胸痛など無い」こと、チアノーゼなど呼吸状態は至って問題なかったことなどから、起立性の低血圧及び、水しか取っておらず前夜からの食事状況から低血糖であると判断し、下肢の挙上とジュースの摂取を促し様子をみました。同時に機長に「緊急着陸の可能性は必要ないだろう」という旨を伝えるよう指示し、状況は終息に向かい始めました。

機内にはまっすぐなストローしかありませんでしたが、Cさんは手荷物の中に予備の曲がるストローを持っていたそうで、「激しく揺れる機内で臥床患者への水分摂取に曲がるストローはかなり役に立った」とのことでした。

 

ここまで私が彼女の元へ着いてから、搬送・各観察など終えるまで10分~15分くらいだっと思いますが、次第に彼女の意識も回復し、電話でつないでいる病院からも私と同様の判断、「念のため病院で検査を…」と、電話は切られました。

30分くらい様子をみて、彼女の無事・安全を確認し彼女は自分の足で自分の座席に戻りました。

飛行機内での急変の対応のポイント

飛行機内での急変 看護師Cさんの対応まとめ

  • 医療従事者であることを周りに伝える
  • 状況判断
  • 急病者やその家族のプライバシーと他の乗客への配慮
  • 必要な場合は、狭い場所から広い場所への移動
  • 周りへの必要な指示と協力を得る
  • 激しい騒音と振動から、血圧測定や呼吸音の聴取は困難であることが予想される

飛行機の中で緊急時の対応を経験して学んだこと

急変という事態はどこでも起こることが考えられ、普段からトレーニングを受けていてよかったっと思いました。急変の対応の経験がなければあの時、自身を持って自分が医療従事者であることは言えなかったっと思います。

それから、常に持ち歩いているディスポーザブルの手袋と、今回持っていた曲がるストローは今後も持ち歩くようにしようと思いました。

出血でもしていれば手袋は欠かせないですし、脳血管系の疾患が原因であれば吐物などの処理も可能性として考えられることです。

そして、看護師であるということで周囲は頼ってきますので、自分が率先し状況の判断や指示をしなければならないことを学びました。

対応後のエピソード

全てが落ち着くと、Cさんはまるでヒーロー!

自分の座席に戻る際には、機内の乗客から大きな拍手を受け、女性の家族からも「本当にありがとうございました!」と、とても感謝されたそうです。

また、CAのリーダー的存在の人も座席に来るなり

  • 目的地までファーストクラスの座席への変更をさせてください
  • 食事や飲み物何でもお申し付けください

といった、最高のもてなしを受けたそうです。

さらに称賛は続き、目的地へ着陸した際には、機長から機内放送での更なるお礼、皆が無事に予定通り着陸できたことで機内の乗客間では大きな拍手が沸きあがり、飛行機から降りる際に機長より「あなたがいなければ、全乗客を乗せたまま緊急着陸の必要もありました。感謝します」とメッセージももらったそうです。

おわりに

看護師という職業は多くの場面でその知識や経験が生かされます。そしてそれは突然に訪れるものです。

旅行中の急変は看護師として多くの役割、命を救える仕事でもあります。日ごろからの経験の積み重ねと判断力、そして状況を見極めリーダーとして動ける行動力は世界のどこでも通用するスキルです。

看護師という職に誇りを持ち、これからも日々の業務に取り組んでくださいね。

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