みずきさん (?) からのお悩み
椿さんこんにちは。悩み相談いつも拝見させていただいています。
私は新卒で福祉施設に就職し3年間勤めていました。
福祉施設では、点滴のルート確保もドクターが担当していたので、もっと自分の看護師としての経験を広げるため、この春に総合病院へ転職しました。
総合病院では、技術やアセスメントをもっと勉強したいと考えていました。
しかし、転職した総合病院で配属されたところは急性期の病棟でした。はじめの2週間はフォローの方もいたんですが、経験者だからということで、自分一人で業務を行うようになりました。
今までの職場とは全く違う疾患、毎日変わる患者様、たくさんの薬、入院、処置…毎日自分では分からないことを聞ける人を探して聞くような毎日でした。
相談役の方や指導の方もいるんですが、なかなか会う時間がありませんでした。
それでも”今の自分にとって必要な経験”だと思い頑張っていたのですが、新しい職場でのストレスや慣れないシステム、毎日の緊張感にだんだんと疲れてしまい、最終的には病棟に行けなくなってしまいました。
病棟でも私を気にかけてくださり、話を聞いてくれる人もいたのですが、早く早くと焦ってしまい、自分で自分を追い詰めてしまったのかなと今は思います。
今の職場を退職したいとまで考えたので、そのことを師長に伝え、現在はお休みをいただいてる状態です。
病院からは病棟を変える話も提案していただいたので、来週からは、処置が少なく入院もない慢性期の病棟でまた一から頑張ろうと思っています。
1ヵ月半という短い間でしたが、自分に取って、急性期の病棟での経験は内容も濃く自分の勉強不足を実感することが出来たいい機会でした。
少し落ち着いたら、既卒者にも教育体制がしっかりある病院を探してみようと思うのですが、そんな病院があるのでしょうか。
また、甘えなのかもしれませんが、既卒者の経験年数だけでなく、今までの経験を見て教育体制を考えてくれる病院もあるのでしょうか?
椿(ツバキ)からの回答
目標に向かい成長するためには、自ら勉強し続けることも大切なのではないでしょうか
みずきさん、こんにちは。椿です。
みずきさんのお悩みを拝見しました。まず、みずきさんのお悩みのポイントをまとめてみましょう。
- いきなり急性期という、これまでの自分の経験では太刀打ちできないところへ配属されたことで、自分への自信を無くしてしまった
- その結果、転職して1か月余りで体調を崩してしまい、お休みすることになってしまった自分に対する“不甲斐なさ”を感じている
- 結果的に、これまでの経験でも何とかなりそうな、異動の話を頂いた
- でも、やはり不満も残っているため、もう一度“既卒者の経験年数だけでなく、今までの経験を見て教育体制を考えてくれる病院”へ転職したいと考えている
※4.については、みずきさんからすれば反論もあるかもしれませんが、お悩みを拝見する限りでは、最終的にここにたどり着くのかなと思います。
現実にぶつかり、自分には無理だと思い込んでいませんか?
まず、いきなり急性期に配属されたことで、恐らく”それまでの経験が役に立たず、自分の看護師としてのスキルが低かったこと”に気付いてしまった、ということですよね。
この“気付き”って実はとても重要で、みずきさん自身がおっしゃっている“技術やアセスメントをもっと勉強したい”という点と、すごく関係があると思います。
人は社会に出れば、何かしらを“勉強”し続けることで成長します。そして、新しい”勉強”を始める時に当面の目標を設定しようとします。
しかし、自身で設定した当面の目標に対して、”自分のスタート地点”が思っていたところよりも低いところにあれば、”目標までの道のり”は遠いものになってしまいますよね。
その現実にぶつかった時、人は成長することを拒否してしまうこともあります。
簡単な言葉でいえば“自分には無理と思い込んでしまう”ということです。
成長するために大切なのは、“プライドを捨てる”こと
椿の周りの人たちに聞いてみると、やはり前職で看護技術やアセスメント能力などを向上させるのが難しかった場合、その直後の転職ではみなさん苦労されているようです。
そんな彼女たちが実際はどうしているかを聞いてみると、一番多い答えは“プライドを捨てる”ことだそうです。
具体的にいえば
- 分からないことは分からないとはっきりいう
- 分からないことは聞く(それが年下の先輩だろうと構わずに)
- 自分に足りないところは何かを常に分析している
ということだそうです。
これができる人は年齢や経験年数に関係なくどんどん成長するとのこと。
管理する側に立つと、よりそういったことが見えるそうですよ。
”教育体制を考えてくれる病院へ転職したい” 本当のところは?
みずきさんの場合、現在は目の前の変化についていけない自分の姿に気付き、自信を無くし、当初の(転職しようと思った時の)目標を忘れている状態なのだと思います。
さらに自分自身の状況を認めてしまいたくない自分もいて、それが、
“もう一度既卒者の経験年数だけでなく、今までの経験を見て教育体制を考えてくれる病院へ転職したい”という考え方につながっているのではないでしょうか。
つまり、裏を返せば、転職先の病院の教育体制に不満を持っているのかもしれません。
”もっときちんと教えてくれる人がいたら、手取り足取り教えてくれれば……”と。
配属について、病院側の真意は分かりませんが、それまで福祉施設での経験しかないみずきさんを、いきなり急性期の病棟へ配属した背景には、みずきさんにもっと成長して欲しいという意図があったのかもしれません。
しかし、いきなりそれはやりすぎだったかな?と思い直し、慢性期の病棟への異動を考えてくれたのかもしれませんね。
自身の心の声に耳を傾けてみましょう
ここからはみずきさん自信の心の声に耳を傾けて頂きたいのですが、
- 今の病院でもっと成長したいと考えていますか?
- それとも、やはりもう一度転職したいと考えていますか?
私が言えることは2つあります。
1. 「今の病院でもっと成長したい」なら…
現在の環境の中で、自分がどうすれば成長できるかをじっくり考えてみてください。
個人的には“プライドを捨てて、とにかく分からないことは、調べて聞きまくる”という姿勢でいて欲しいと思います。
急性期から慢性期へ異動したからといって、勉強しなくて良いことは無いと思いますよ。毎日、何かしらの“分からないこと”は出てくると思います。
2. 「やはりもう一度転職したい」なら…
自分に合う教育体制の整った病院への転職を、今すぐ考えても良いかもしれません。
私の知る限りでは、恐らくみずきさんの希望するような“教育体制が整ったところ”もあります。次の転職までには少し時間をかけ、本当にココだ!と思える病院を探してください。
その場合でも、自分が成長したいと思うならば、勉強しなくて良いということはありません。
病院側だってみずきさんのすべてを把握しているわけではありませんから、どのような教育を行っていくのか、試行錯誤しながらになるとは思います。
ただ大事なことは、”みずきさんのスピード感”と”病院側の余裕”とが合うかどうかなのだと思いますよ。